「屋根の断熱材には、どんな種類があるの?費用相場は?」
「天井断熱と屋根断熱はどう違う?」
今回は上記のような疑問を持つ方に向けて、屋根・外壁専門のプロが断熱材の種類、費用相場、施工方法など「屋根の断熱材の基礎知識」についてご紹介します。
リフォームをする際の注意点もあわせて解説していますので、屋根のリフォームを控えているという方はぜひ参考にお役立てください。
◼ コラムのポイント
1、屋根に使われる断熱材の種類、費用相場、施工手順がわかる。
2、天井断熱と屋根断熱の違い、メリット・デメリットがわかる。
3、屋根の断熱リフォームをする際の注意点がわかる。
目次
■ 屋根に使われる断熱材とは?
住宅には、普段生活しているうえでは見えない床下、壁裏などいたるところに断熱材が入れられています。その中で、屋根裏や天井裏など建物の上部、屋根部分にも断熱材が使用されています。
断熱材を使用する目的は大きく2つあり、「室内と室外の熱の移動を遮断する」こと、そうすることで「結露の発生を防ぎ、建物が劣化しないようにする」という役割があります。
住まいにとって断熱材は、「夏は涼しく冬は暖かい」という快適な環境をつくり、建物を長持ちさせてくれる重要な存在なのです。
■ 屋根断熱と天井断熱の違い
屋根の断熱には、主に「屋根断熱」と「天井断熱」2つの種類のほかに「塗装断熱」というものもあります。
こちらでは「屋根断熱」と「天井断熱」それぞれのメリット・デメリットをくわしくご紹介します。
・屋根断熱のメリット・デメリット
「屋根断熱」とは、屋根の室内側に断熱材を取り付ける方法です。
屋根断熱のメリットは、屋根部分に断熱材を入れているため屋根裏部屋が暖かくなり、居住スペースを有効活用できることです。一方で屋根断熱は、天井断熱よりもより広い面積に断熱材を取り付ける必要があるため、工事費が1〜3割ほど高くなる点がデメリットです。
屋根裏部屋も遮断空間となり快適に過ごすことができる「屋根断熱」は、屋根裏部屋を使う予定がある人におすすめの方法です。
・天井断熱のメリット・デメリット
「天井断熱」は、言葉のとおり天井に断熱材を取り付ける方法のことを言います。
天井断熱のメリットは、断熱材の厚さに制限がないため断熱効果が高いこと、そして断熱材を取り付ける範囲が狭いため工事費用がより安く済むことです。一方で断熱材を入れる天井は、屋根裏より内側にあるため、屋根裏部屋を保温することはできません。
屋根裏へは断熱効果が行き届かないため、屋根裏部屋を使わないという方にはおすすめの方法です。
・塗装断熱という方法もある
屋根断熱、天井断熱のほかに「塗装断熱」という方法もあります。断熱効果のある塗料で屋根塗装をすることで、断熱をする方法です。
こちらは屋根の補修をするタイミングで、より断熱効果を高めたいという場合に行うのが一般的です。断熱材を入れるわけではないため、それほど大きな断熱効果は期待できませんが「屋根補修をお願いするついでに、断熱効果も上げたい」という場合におすすめです。
https://nuribe.jp/refresh2023/column/%e6%96%ad%e7%86%b1%e5%8a%b9%e6%9e%9c%e3%81%ae%e3%81%82%e3%82%8b%e5%a1%97%e6%96%99%e3%82%92%e4%bd%bf%e3%81%a3%e3%81%a6%e5%ae%b6%e3%82%92%e5%bf%ab%e9%81%a9%e3%81%ab%e3%81%97%e3%82%88%e3%81%86/
■ 屋根に使われる断熱材の種類
続いて、よく使われる断熱材の種類を4つご紹介しますので、それぞれの特徴を見てみましょう。
・グラスウール
グラスウールは、高温で溶融したガラスを綿状に細かく繊維化した「無機繊維」の断熱材です。
屋根断熱にも天井断熱にも使用されるスタンダードな断熱材で、安価なうえに防火性が高く、防虫効果・防音効果もあります。
・ロックウール
ロックウールは天然の鉱石を高温で熱して溶かし、線維状に加工して作る「無機繊維」の断熱材です。
こちらも屋根断熱、天井断熱両方によく使用されます。安価で断熱性・保湿性・防音性に優れており、商業施設などでもよく使われています。
・セルロースファイバー
セルロースファイバーは、古紙を再利用して作る天然素材を使用した「天然繊維」の断熱材です。
吸放湿性能・防音性・防火性・防虫性能など多くの優れた機能を持ち合わせており、自然素材のため有害物質を含んでいない身体にやさしい断熱材です。高性能なため、価格も高めとなっています。
・発泡プラスチック
主に屋根断熱のみに使用されるのが、発泡プラスチックです。
こちらの断熱材はプラスチックの中の気泡内にガスが閉じ込められている構造で、薄くて軽いうえに湿気に強いのが特徴です。セルロースファイバーほどではありませんが、価格がやや高いのがデメリットです。
ここで、断熱材はどれくらいの厚さのものを使用するのか知りたい、と思っている方も多いのではないでしょうか。断熱材の厚さは、国が定めた「次世代省エネルギー基準」によって基準が明確化されています。地域によって基準が異なり、断熱箇所や断熱材の種類によって細かな指定があります。
■ DIYで断熱材を追加できる?
断熱材を追加したい場合、DIYでもできるのは?と考える方も多いでしょう。
断熱材を追加するには壁を壊したり空気の通りを塞がないようにしたりなど、難しいポイントがたくさんあるため、できるかぎり業者に依頼するのが良いでしょう。
どうしてもDIYで行いたいという場合には、非常に軽い素材で扱いやすい「スタイロフォーム」という発泡プラスチック系の断熱材がおすすめです。
■ 屋根の断熱にかかる費用相場
屋根断熱にかかる工事の総費用は、10〜80万円を目安に考えておきましょう。
費用相場はあくまでも目安であり、依頼する施工業者、断熱の方法によって費用は異なります。
屋根断熱にかかる費用の内訳は、以下を参考にチェックしてみてください。
・断熱材料費
・天井などの解体費
・下地貼り費用
・足場代
・気流止め代(天井断熱の場合)
・通気層スペーサー代(屋根断熱の場合)
・洗浄代・塗料代(塗装断熱の場合)
・その他諸費用
■ 屋根の断熱の施工方法・手順
屋根に断熱材を施工する方法をご紹介します。
施工手順について事前に知っておき、悪徳業者による手抜き工事に遭わないようにしましょう。
・屋根断熱の施工方法
①空気の通り道である通気層が狭くならないように、スペーサーを設置。
②屋根を支える垂木部分に、断熱材を打っていく。
③最後に隙間部分をテープで埋めて完成。
・天井断熱の施工方法
①外気が入り込むのを防ぐため、隙間に詰め物をする(「気流止め」という)
②天井の柱の形に沿って、断熱材を取り付ける。
③隙間なく敷き詰めたら完成。
・塗装断熱の施工方法
①高圧洗浄で屋根を洗浄
②下地補修
③下塗り1回、断熱塗料2回
④十分に乾燥させて完成
https://nuribe.jp/refresh2023/column/2%e9%9a%8e%e3%81%8c%e6%9a%91%e3%81%84%e3%81%ae%e3%81%af%e5%b1%8b%e6%a0%b9%e3%81%ae%e5%a1%97%e8%a3%85%e3%81%a7%e8%a7%a3%e6%b1%ba%e3%81%a7%e3%81%8d%e3%82%8b%ef%bc%9f%e6%96%ad%e7%86%b1%e6%80%a7%e3%82%92/
■ 屋根の断熱リフォームをする際の注意点
屋根の断熱リフォームをする際には、信頼できる施工業者に依頼することがもっとも大切なポイントです。
施工方法や使用する断熱材は家によって異なりますので、適切な判断で施工を行ってもらえるよう、まずは複数の業者に見積もりをもらったうえで安心して依頼できる業者を選びましょう。
■ まとめ
いかがでしたでしょうか。今回は、屋根の断熱について施工の種類や費用、断熱材について解説しました。普段目に触れることはないけれど、住まいの重要な役割を果たしている断熱材。断熱のリフォームをお考えの方は、まずは信頼できる業者選びからはじめましょう。
塗装屋ぬりべえでは、屋根や外壁の塗装、リフォーム、雨漏り修理などを行なっております。屋根塗装をお考えの方は、断熱・遮熱効果のある塗料での塗り替えが可能です。千葉・茨城エリアにて、屋根塗装やリフォームをご検討の際はぜひお気軽にご相談ください。