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コーキングの補修方法|施工方法やタイミングも

最終更新日時 : 2021.12.22

コーキングの補修方法|施工方法やタイミングも

コーキングの補修方法|施工方法やタイミングも

サイディングボードやALCパネルなど、板状の素材を貼り付けて施工するタイプの外壁の場合、つなぎ目を埋めるためにコーキングを使用します。つなぎ目から水が入り込むのを防ぐことや、揺れに対応することがコーキングの主な役割です。サイディングボードやALCパネルの外壁においてコーキングは欠かせない存在ですが、劣化しやすい箇所の一つでもあります。そこでコーキングの補修方法や施工方法、補修のタイミングについてご紹介します。

 

◼ コーキングの補修方法

ツートンカラーの外壁

ボードのつなぎ目を埋める役割を果たすコーキングですが、劣化しやすい部分でもあるため、定期的に補修を行う必要があります。コーキングの補修方法には主に打ち替えと増し打ちの二種類があります。家の外壁のコーキングの状態を確認して、どちらの補修方法を選択するべきか検討してみてください。

 

・打ち替え

コーキングの打ち替えとは、既存のコーキングを撤去して新しいコーキング材を重点する方法のことです。一度打ち替えを行うと、耐用年数は7~10年といわれています。既存のコーキングを撤去する費用と新しいコーキングを重点する費用のどちらもかかるため工事費用は高くなることが多いですが、防水性や柔軟性を高められることから打ち替えが行われるのが一般的です。

 

・増し打ち

既存のコーキングはそのままに、新しいコーキング材を上から重点する方法を増し打ちといいます。既存のコーキングの劣化がそこまで進んでいない場合に増し打ちを選ぶことができます。既存のコーキングを撤去する作業が必要ないことや、新しコーキング材の量が少なくて済むことから、施工時間や費用を抑えることができます。

 

コーキングがひび割れてしまうほど劣化が進んでいる場合、増し打ちをしたからといって既存のコーキングを修復できるわけではありません。また古いコーキングと新しいコーキングは馴染むこともないことや、耐用年数は2~5年ほどしかないことを頭に入れておく必要があります。

 

◼ コーキングの施工方法

緑の外壁

コーキングの補修方法が分かったところで、実際に施工を行う場合にはどういった手順で進められるのでしょうか。手順の数が多い打ち替えの場合をご紹介します。またコーキングの作業を行う際は、雨や雪など天候が悪いときは別の日程に変えるようにしましょう。

 

・古いコーキングの撤去

打ち替えの場合は、古いコーキングの撤去作業が必要です。カッターを使って撤去するのが一般的ですが、劣化している場合は切れ目を入れたら簡単に取り出すことができます。取り出しにくいときはペンチなどを使って引っ張り、ボードの断面に残っている場合はカッターを使って削ぎ取ります。できる限りしっかりと古いコーキング材を取り除くことで、新しいコーキング材を充填したときの仕上がりが良くなります。

 

・養生

新しコーキング材を重点する前に、コーキング材を付着させたくない箇所を養生する必要があります。サイディングボードやALCパネルの表面部分にコーキング材が付かないように、目地のまわりに養生テープを貼ります。養生を丁寧に行うかどうかで仕上がりが変わってくるため注意が必要です。

 

・プライマー

ボードとコーキング材を密着させるために、目地の部分に下塗り剤である「プライマー」を塗布します。家庭用のコーキング材で小さな補修を行う場合はプライマーを使用しないこともありますが、長い年数安定した接着性を得たい場合はプライマーを使用することをおすすめします。

 

・コーキングの充填

下塗り剤であるプライマーを塗布したあとは、目地部分にコーキング材を充填します。ノズルの先端を斜めに切ってからコーキングガンにセットします。くぼみに沿って充填していきますが、このとき中に空洞ができないように空気を抜くようなイメージで行うのがポイントです。たくさんの量を出してしまうと養生部分にはみ出て、仕上がりが汚くなってしまいます。

 

・均一にならす

コーキング材を充填したらヘラを使ってコーキングを均一にならしていきます。施工箇所に合った形状のヘラを選ぶことできれいに仕上げることができます。このときヘラに付いた余分なコーキング材はその都度除去できるように、ヘラを持つ手と逆の手に大きなヘラを持っておくと便利です。

 

・養生の除去

コーキングをヘラでならしたら、養生を除去して作業が完了となります。コーキング材を充填してから時間が経つと、養生を剥がすときに乾いたコーキング材が引っ付いてしまうことがあります。そのためコーキング材を充填したあとは、時間との勝負だと思って素早く作業を進めていくようにしましょう。

 

◼ 補修のタイミング

シンプルな外壁

コーキングの補修方法と施工方法が分かりました。しかしどのような状態になったらコーキングを補修すれば良いのかが分からないという人もいるかもしれません。補修を検討するべきタイミングの目安となる症状をご紹介します。

 

・寿命

家の外壁に使われている素材は知っていても、コーキングについて詳しく知っているという人はそう多くいません。ふとしたときに外壁を見て、コーキングの劣化に気付いたという人も多いかもしれません。コーキングの寿命を超えてもそのままにしておくと、雨水が侵入したり家の構造に問題が出たりすることもあります。

 

コーキングの寿命は5~10年といわれています。外壁自体が紫外線や雨風を受けているため劣化していきますが、弾力があるコーキングは外壁材よりも劣化しやすい特性を持っているためです。日当たりやお住まいの地域の気候によって劣化の進み具合は異なります。5~10年という寿命をある程度の目安として覚えておくと良いでしょう。

 

・剥離

揺れなどによる外壁の動きに対応する役割もあるコーキングですが、外壁の動きについていけずに目地から離れてしまった状態を剥離といいます。剥離が起こるとコーキングと外壁の間に隙間ができるため、防水性が低くなってしまいます。経年劣化によって起こることもありますが、施工時にプライマーの塗り忘れや塗りムラがある場合にも起こる場合があります。

 

剥離を放置すると、サイディングボードやALCパネル自体の張り替えを行わなければならないことも。そうなると高額な費用がかかってしまうため、コーキングの補修だけで済むように、早めに対応するようにしましょう。

 

・肉痩せ

肉痩せとは、コーキングの物質が表面から溶け出すことで厚みがなくなることをいいます。経年劣化によっても起こりますが、施工時に十分な量のコーキング材が使われてなかった場合にも肉痩せが起こる可能性があります。肉痩せを放置すると剥離やひび割れにつながるため、早めの点検やメンテナンスをおすすめします。

 

・ひび割れ

年数が経つと肉痩せが起こって、肉痩せが進行すると裂け目が入ってきます。これをひび割れや破断といいます。剥離はコーキングとボードの境目に隙間ができることをいいますが、ひび割れや破断はコーキングの真ん中に入る点が異なります。ひび割れや破断が起こるとコーキングの寿命の印なので、補修を行うようにしましょう。

 

◼ コーキングに関する施工事例

塗装屋ぬりべえが実際に行った塗装事例の中で、コーキングに関する施工事例をご紹介します。実際の事例を見ることでコーキング補修の参考になるかもしれません。

 

・コーキングが気になる外壁の塗装

コーキングの補修

一度も塗装を行わないまま15年経過したため、コーキングの状態が気になるとのことでした。暗すぎない茶色系の色をご希望でしたが、イメージ通りとの言葉をいただきました。耐久性が長い塗料を選ぶのも良いですが、短いスパンでお手入れをすることが一番なのでウレタンタイプの塗装を行っています。

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・劣化したコーキングの補修と上品な茶色の塗装

ツートンカラーの外壁

外壁の膨れとチョーキングが気になるとのことでした。ALCパネルを使用した外壁でしたので、劣化したコーキングも一緒に補修を行いました。1階部分と2階の真ん中部分を茶色に、2階のベランダ部分に暖色系の色を使いツートンカラーになっています。もともとの色よりも濃い茶色を使用しているので温かくもシックな雰囲気に仕上がっています。

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・コーキングの目地と塗膜の劣化対策

ツートンカラーの外壁

外壁の汚れやコーキングの目地の劣化が気になるとのことでした。紫外線を受けることによって色褪せや藻の発生によって塗膜が劣化していましたが、濃いブラウンの塗装を行うことでモダンな雰囲気に。1階部分と2階部分でコントラストを付けたツートンカラーにしているので、おしゃれに仕上がっています。

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◼ まとめ

茶色と黄色の外壁

外壁材にサイディングボードやALCパネルを採用すると、つなぎ目にコーキングを使用することになります。なくてはならない存在ですが、劣化しやすい部分の一つでもあります。補修方法としては、既存のコーキングを撤去して新しいコーキング材を充填する打ち替え、既存のコーキング材の上から新しいコーキング材を重点する増し打ちの二種類があります。古いコーキングと新しいコーキングがなじむことはないため、打ち替えが行われるのが一般的です。

 

コーキングを施工する際には、古くなったコーキングをカッターなどで撤去し、まわりに付着しないように養生を行います。下塗り剤であるプライマーを塗布したらコーキングを充填、均一にならしてから養生を除去して作業完了という手順です。コーキングを充填してからは時間との勝負なので、素早く作業することが大切です。コーキングの寿命は5~10年といわれていますが、剥離や肉痩せ、ひび割れが確認できたら早めに点検やメンテナンスを行うようにしましょう。

 

塗装屋ぬりべえでは、外壁や屋根の塗装を行っています。創業120年の経験と実績を活かして、お客様とのコミュニケーションを大切にしながら施工を行います。千葉県と茨城県には地域最大級のショールームを展開しており、駐車場やキッズスペースも完備しているのでご家族連れでも安心してお越しいただけます。カラーサンプルやカラーシミュレーションを見ることもできるので、ぜひお気軽にお越しください。

この記事を書いたスタッフ

塗装屋ぬりべえ 編集部
塗装屋ぬりべえ 編集部
かけがえのない日々の想い出を、より素敵に彩るお手伝いこそ、私たちハウジング重兵衛のしあわせです。
お客様の幸せを、自らの幸せに感じて。
あらゆる家づくりと住まいのプロフェッショナルとして、地元千葉と茨城との地域密着や社会貢献にもつながっていく企業として、お客様の幸せを礎に、200年企業を目指してまいります。
リフォームを中心とした住宅業界
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・一級建築士事務所 登録番号 第1-2004-7311号
・国土交通大臣 許可(般-5)第25003号
・宅地建物取引番号(5)第13807号

資格情報

・一級建築士
・二級建築士
・インテリアコーディネーター

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