外壁材にはさまざまな種類がありますが、日本における外壁の約8割を占めるのがサイディング。コストパフォーマンスの良さやデザイン性の高さがその魅力ですが、他の外壁材よりも劣化しやすいというデメリットもあります。
サイディングが劣化したまま放置しておくと、家の構造部分にまで影響が出てしまうと補修費用が高くつくことも。そこでサイディングにおけるひび割れの種類と原因、補修方法などについて詳しくご紹介します。
◼ サイディングのひび割れ
一言でサイディングのひび割れといっても症状や深刻度はさまざま。大きく分けてサイディングボード自体のひび割れとシーリングのひび割れの2種類についてご紹介します。
・サイディング自体のひび割れ
まずはサイディングボード自体のひび割れ。サイディングは表面の塗膜が劣化することで雨水が侵入しやすくなり、夏の暑さと冬の寒さの気温差で膨張と収縮を繰り返し、やがてひび割れが起きてしまいます。
ひび割れが入ると美観を損ねるだけではなく、さらに雨水が侵入しやすくなり構造部分まで劣化が進んでしまうことも。最初はヘアークラックという0.3mm程度の幅の狭いひび割れ、ヘアークラックを放置していると0.3mm以上の構造クラックという大きなひび割れになってしまいます。
構造クラックが起こるとサイディングや外壁全体に負荷がかかっている状態なので、できるだけ早めに修理を依頼するようにしましょう。
・シーリングのひび割れ
サイディングの外壁で最初に劣化が始まることが多いのがシーリング。シーリングはサイディングボードとボードの境目を埋めるゴムのようなものですが、年数が経つにつれてひび割れや剥がれといった症状が出てきます。
シーリングは防水効果を高める役割があるため、定期的にメンテナンスしたいものです。劣化の症状が見られたらシーリングの打ち替えや増し打ちを行うようにしましょう。
◼ サイディングがひび割れる原因
サイディングは他の外壁材よりも劣化しやすく、ひび割れが起こる可能性があることをご紹介してきました。サイディングのひび割れにはどのような原因が考えられるのでしょうか。
・紫外線や雨による劣化
外壁は家の中でもっとも外側にあるため、物理的に外部の影響を受けやすい箇所です。毎日受け続けている紫外線や雨によって劣化してひび割れが起こってしまうことも。
紫外線を浴びることで外壁の表面の塗膜が劣化し、ボードの膨張・収縮に耐えられなくなって亀裂が発生するというもの。塗膜が劣化した箇所に雨水が入り込んでしまうとひび割れにつながるため、紫外線と雨はどちらもひび割れの原因だといえます。
・窓サッシの重みや開閉による振動
日常生活で窓の開け閉めは普通に行う行為ですよね。しかし窓のサッシの重みや窓の開け閉めによる振動で外壁がひび割れてしまうことも。
・地震などによる揺れ
日本は地震の多い国ですが、地震の揺れによってもひび割れが起こることがあります。振動によって建物が揺れ、力が加わることでひび割れが起こるという仕組みです。
また車通りが多い道沿いや線路沿いにある家では、車や電車の振動もひび割れにつながってしまうことがあります。
◼ ひび割れを放置するとどうなる?
サイディングボードは劣化しやすい素材であり、紫外線や雨、振動などでひび割れが起こってしまうことが分かりました。ひび割れが起こっても放置し続けていると、どのようなことが起こるのでしょうか。
・シロアリ
サイディングのひび割れを放置すると、ひび割れた部分から雨水が入り込みやすくなります。そうすると外壁内部の湿度が高くなり、シロアリが発生しやすい状況に。
・凍害
サイディングのひび割れから雨水が入り込むと、寒い地域では外壁の内部で雨水が凍ってしまうことがあります。水が氷になると体積が増えるため、爆裂という現象を起こすことも。
ひび割れだけでは済まない状況になってしまうため注意が必要です。
・補修跡が消えない
ひび割れは補修することができますが、ひび割れ箇所の周辺と模様や色を合わせなければ跡が目立ってしまうことも。
自分でひび割れを補修しようと思うとホームセンターでシーリング材を買ってDIYすることもできますが、業者による補修が必要な構造クラックをヘアークラックだと思って誤った方法で補修してしまう可能性もあります。できれば業者に補修を依頼するようにしましょう。
・構造部分の腐食
ひび割れを放置していると雨水が外壁の内部に入り込み、構造部分まで腐食が進んでしまうこともあります。ヘアークラックだけの補修と構造部分の腐食は、補修にかかる手間や費用が大きく異なります。
補修を後回しにすることで余計な出費になってしまうことを考えても、できるだけ早く補修した方が良いといえるでしょう。
◼ ひび割れの補修
ひび割れの補修は実際どのように行われるのでしょうか。サイディングとシーリング、それぞれご紹介します。
・サイディング
サイディングのひび割れた箇所にはシーリング材を充填することで補修していきます。ひび割れた箇所をカッターなどでV字に削り、ハケなどを使って汚れを取り除きます。
シーリングと下地の密着度を高めるためにプライマーを塗布し、シーリングを充填していきます。モルタルで表面を埋めて平らにし、塗装で保護したら補修完了。
補修した跡が残らないように作業を行うのは難しいので、信頼できる業者に依頼するようにしましょう。
・シーリング
シーリングはサイディングボードとボードの間の目地に埋めるゴムのようなものだということをご紹介しました。シーリングの補修は打ち替えと増しうちの2種類。
打ち替えは既存のシーリング材を取り除いて新しくシーリング材を充填すること。増し打ちは既存のシーリング材はそのままに上からシーリング材を充填すること。
打ち替えよりも増し打ちの方が費用を抑えることができますが、ひび割れが再発してしまいやすいということに注意が必要です。
◼ まとめ
日本における外壁材のうち約8割を誇るサイディング。コストパフォーマンスに優れ、デザイン性が高いなどメリットがたくさんありますが、劣化しやすいというデメリットも。
劣化しやすいということは、起こり得る劣化の症状を把握した上で定期的なメンテナンスが大切です。起こり得る劣化の症状の中でも、今回はひび割れにフォーカスして細かくご紹介してきました。
ひび割れは放置しているとシロアリや構造部分の腐食など、取り返しのつかない事態になりかねません。DIYで補修するのも良いですが、方法を見誤らないように業者に依頼することをおすすめします。
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