冬の外壁塗装は「品質が安定する」というメリットがある一方で、他シーズンに比べて工期が数日伸びる傾向があります。
これは低温や日照時間の短さが、塗料の乾燥プロセスに影響を与えるためです。
今回は、冬の塗装で工期が伸びる具体的な理由と、計画的に進めるためのスケジュール管理のコツを解説します。
この記事はこんな方におすすめ!
・冬の間に外壁塗装を予定している方
・仕事や行事に合わせて工事をスムーズに終わらせたい方
目次
1 なぜ冬は時間がかかる?塗料の「乾燥」と「気温」の関係
外壁塗装における「乾燥」とは、塗料に含まれる水分や溶剤が蒸発し、成分が化学反応を起こして硬い膜を作る過程を指します。
冬場は気温が低いため、この蒸発と反応のスピードが夏場に比べて大幅にゆっくりになります。
次の工程(重ね塗り)に進むためには、前の層が完全に乾いている必要がありますが、冬はその待ち時間が数時間から一晩多くかかることが一般的です。
無理に塗り重ねると将来的な剥がれの原因になるため、プロの業者はあえて「待つ」時間を工期に組み込んでいます。
- 気温が低いと塗料の化学反応が遅れ、次工程への待ち時間が他シーズンの1.5〜2倍になる。
- 朝露や結露が乾くのを待ってから作業を開始するため、実質的な稼働時間が短くなる。
- 乾燥を急ぐと「リフティング(縮み)」などの施工不良を招くため、慎重な管理が必須。
2 日没が早い!実質的な「作業時間」の短縮が影響する
冬は1年の中で最も日が短く、午後4時を過ぎると急速に暗くなります。
塗装作業には正確な「色の確認」と「塗りムラのチェック」が不可欠なため、手元が暗くなる夕方以降の作業は品質維持の観点から行われません。
また、夕方以降に気温が下がると、塗りたての塗料が乾燥する前に夜露に濡れてしまい、仕上がりが白く濁る(白化現象)リスクもあります。
そのため、冬の作業時間は10時から15時前後という短い時間帯に限定されることが多く、結果として総日数が伸びる要因となります。
- 日照時間が短いため、1日あたりの塗装可能な面積が夏場より少なくなる。
- 夕方の気温低下による「霜」や「露」の被害を避けるため、早めに切り上げる必要がある。
- 照明を焚いての無理な夜間作業は、塗り残しの原因になるため優良業者は避ける。
3 天候による中断!雪や強風がスケジュールを狂わせる
雨だけでなく「雪」や「強風」も冬の塗装の大敵です。
雪が降れば作業は即中断となり、屋根や足場に積もった雪が溶けて乾くまで再開できません。
また、冬特有の強い「からっ風」は、足場のメッシュシートを煽って建物に負荷をかけたり、飛んできた砂埃が塗りたての壁に付着したりするトラブルを招きます。
天候が不安定な地域では、予備日としてプラス3日〜1週間程度の余裕を見ておくのが一般的です。
これらは自然現象であり、品質を守るための「正しい中断」であることを理解しておく必要があります。
- 降雪時は湿度が100%に近くなるため塗装不可。除雪作業による工期延長も発生する。
- 強風時は塗料の飛散防止のため作業を制限し、安全確保を最優先にする必要がある。
- 「予備日」を含まないタイトすぎる工程表を出す業者は、無理な施工をするリスクがある。
4 失敗しないコツは「工期よりも品質」を優先する心構え
冬の塗装を成功させる最大のコツは、当初の予定より「3割増し」の期間を見込んでおくことです。例えば通常2週間の工事なら、20日程度は見ておくと精神的な余裕が生まれます。また、年末年始の休暇期間を挟む場合は、足場が設置されたままの状態が長くなるため、防犯面やプライバシーの確保について業者と事前によく相談しておきましょう。工期が伸びることを「悪」と捉えず、一つひとつの工程を冬の条件に合わせて丁寧に行っている「証拠」と考えることが、高品質な仕上がりを手に入れる秘訣です。
- 工事完了希望日の1ヶ月前には契約を済ませ、余裕を持った着工日を設定する。
- 年末年始を跨ぐ場合は、足場の防犯対策や窓の養生(開閉の可否)を確認しておく。
- 工期の遅れを気にするあまり、気温5度以下の無理な塗装を業者に強要しない。
まとめ
冬の外壁塗装は、乾燥の待ち時間や短い作業時間、天候の影響により工期が伸びやすいのが現実です。
しかし、それは裏を返せば、塗料が持つ性能を100%引き出すために必要な「時間」でもあります。
スケジュールにゆとりを持ち、信頼できるプロに管理を任せることで、冬ならではの強固で美しい外壁を手に入れることができます。
まずは、冬の特性を熟知した地元業者へ相談し、余裕のあるプランを立てることから始めましょう。