外壁にはさまざまな種類がありますが、その中でもサイディングボードは日本の多くの家で採用されています。サイディングボードには素材によって種類が分けられていますが、そのなかでも金属系サイディングについてご紹介します。
◼ 主な外壁の種類
家を建てるときに選べる外壁にはさまざまな種類があり、使われている素材や特徴が異なります。機能性やデザイン、必要なメンテナンスの違いについてご紹介します。
・金属サイディング
主流の外壁材であるサイディングの中には、ガルバリウムやアルミを使用した金属系サイディングという種類があります。窯業系サイディングよりも軽く、家自体への負担が少ないのが特徴です。また断熱性や耐震性が高いのもメリットであり、水を吸収しにくいため凍害に強く、寒さの厳しい地域に適しています。
金属の特性からサビや発生しやすかったり温度変化によって変形しやすかったりすることも頭に入れておく必要があります。鋭いものが当たると傷付きやすいのもデメリットです。
・窯業系サイディング
現在の日本では窯業系サイディングが外壁材の主流となっています。窯業系サイディングとは、セメントや繊維質を混ぜたものを板状に成型した外壁材のことをいいます。シンプルなものからレンガ調やタイル調などデザイン性の高いものまで豊富な種類が揃っています。無塗装のサイディングもあるため、こだわりの色で塗装したいという人にはおすすめです。機能面では耐火性や耐震性、遮音性に優れているのがメリット。
窯業系サイディングはパネルとパネルのつなぎ目をシーリングで埋めて仕上げていきます。シーリングは衝撃吸収や防水の役割を果たしていますが、劣化しやすいという特徴もあります。シーリングのメンテナンスを定期的に行う必要があります。また窯業系サイディングには熱を溜め込みやすいという性質があるため、太陽の光で外壁の表面温度が上がってしまったり家の中に熱がこもりやすくなってしまったりすることも。約7~8年が塗り替えのタイミングとなりますが、特にシーリングは劣化の症状が見られたら早めに補修をするようにしましょう。
・モルタル
モルタルは昔ながらの日本の家で使用されていた外壁材です。セメントや砂などを混ぜたものを、現場で一から塗っていきます。手作業で仕上げることからデザインの自由度が高く、温かみのある外壁に仕上がります。リシンやスタッコといった模様を付けることもできます。パネルを使用する外壁とは異なり、モルタルにはつなぎ目がありません。耐久性、耐震性、耐火性に優れているなど機能面もばっちりです。
手作業ゆえに施工期間や費用がかかってしまうのがモルタルのデメリット。また年数が経つとひび割れが起きて雨漏りにつながってしまうこともあります。職人の技術に仕上がりが左右されるため、信頼できる業者に依頼することをおすすめします。約10年がメンテナンスの目安となっていますが、ひび割れが起こってしまった場合は早めに補修するようにしましょう。
・ALC
ALCは軽量気泡コンクリートともいわれており、一般的なコンクリートの四分の一ほどの重さしかありません。耐久性の強さから高層ビルや公共施設でも使用される外壁材です。断熱性や耐火性、耐震性にも優れており、有害物質を含まないため万が一火災が起こったとしても人体への影響がありません。
耐久性がある一方で吸水性が高いため、防水機能を高めるための塗装を行う必要があります。パネルとパネルのつなぎ目を埋めるシーリングのメンテナンスも定期的に行わなければなりません。約5~10年ごとに点検を行い、シーリングや塗装の劣化を見てもらうと安心です。
・タイル
タイルは無機物である土や石を原料としているため、劣化することなく耐久性が高いのが特徴です。吸水性も低いため、外壁の大敵である雨から家を守ることができます。タイルは硬さがあるため破損してしまう心配はなく、耐震性も安心です。またタイル特有の重厚感や高級感があるため、外観で個性を出したい場合におすすめです。
耐久性が高い分、費用がかかってしまうのがデメリットです。メンテナンスの頻度が少なくて済むかわりに、家を建てるときの外壁への初期費用がかかってしまいます。また施工の難易度が高いため、他の外壁材と比べて職人の技術力によって仕上がりの美しさが変わることもあります。外壁をタイルにしたい場合には、信頼できる業者に依頼するようにしましょう。
◼ 金属サイディングのメリット
外壁に使用される素材には、金属サイディングや窯業系サイディング、モルタル、ALC、タイルといったさまざまな種類があることが分かりました。その中でも金属サイディングのメリットについて詳しくご紹介します。
・軽量
金属に重いというイメージがある人もいるかもしれませんが、サイディングに使われるガルバリウムやアルミの外壁材は他と比べても軽いのが特徴です。窯業系サイディングの約三分の一の重さしかないため、家への負担が少なくて済みます。また軽量であれば運搬もしやすく、工期が短くなるというメリットにもつながります。
・耐震性・断熱性・耐凍害性
金属サイディングは軽量で家への負担が少なく、地震の影響を受けにくいというメリットがあります。揺れにも柔軟に対応するため、耐震性の高い外壁材となっています。また金属サイディングの外壁材の裏側にはアルミシートが貼られており、断熱材と一体化していることから断熱性が高いのも特徴です。
水を吸収しにくい特性があるため、凍害の可能性が低いのもメリット。凍害とは、外壁が劣化した部分から水が入り込み、凍結して破裂することをいいます。断熱性と耐凍害性の両方から、金属サイディングは寒冷地でよく使用されている外壁材です。
・メンテナンス
メンテナンス性に優れているのも金属サイディングのメリットです。他の外壁材と比べて塗料が密着しやすく、雨水を吸水する心配もありません。ひび割れも起こりにくいため、メンテナンスの頻度が少なくて済みます。家を建てるときの費用は安い方ではありませんが、劣化が進むのが遅くメンテナンスの頻度が少ないため、トータルコストを抑えることができます。
・カバー工法
金属サイディングの外壁はリフォームする際に、大きなメリットを享受することができます。外壁のリフォームを行う場合には、劣化の進み具合が遅ければ塗装、劣化が激しく進んでいれば張り替えという方法を取ることになります。しかし金属サイディングの場合は「カバー工法」を行うことができます。
カバー工法とは、もともとの外壁の上に新しい外壁を重ねて張り付ける工事のことをいいます。軽量である金属サイディングだからこそできる方法です。張り替えは古い外壁材の撤去に手間や費用がかかりますが、カバー工法は撤去の手間や費用を削減できます。
◼ 金属サイディングの補修
金属サイディングには、耐震性や断熱性、耐凍害性といった機能面でのメリットがたくさんあります。メンテナンスの頻度が少なくて済むのも特徴ですが、劣化が見られたら補修を行うことでより長持ちする家になります。
・水洗い
金属サイディングの外壁は、雨が当たらない箇所や排気ガスがかかってしまう箇所を定期的に水洗いすることできれいに保つことができます。コケやカビなどが発生することは少ないですが、もし見つけたら早めにスポンジなどでこすると落とすことができます。高圧洗浄機を使用すると外壁の表面を傷つけてしまうため控えた方が良いでしょう。
・シーリングの打ち替え
窯業系サイディングやALCパネルのシーリングは剥き出しになっているため劣化が一目で分かります。金属サイディングは見切り板などで隠されていることが多いため、自分では劣化が分からない場合もあります。自分で打ち替えを行うのは難しいため、メンテナンスのタイミングで業者に依頼することをおすすめします。
・外壁塗装
金属サイディングは塗装の必要がないと思っている人もいるかもしれませんが、外壁を保護するためには塗装は必要です。塗料が密着しやすい特徴がありますが、塗膜が劣化している場合は塗装で復活させることができます。約10年を目安に塗り替えを続けていくと、劣化が進みすぎることなく外壁を保護することができます。
・張り替え
サビが出てしまったり変形してしまったりした場合は、塗装だけでは修復できないことも。家全体の張り替えではなく、一部分だけを張り替えられることもあるため業者に相談してみてください。家を建てたときに使用した外壁材が販売終了している場合には一部分での張り替えができないこともあるため注意が必要です。
◼ まとめ
家を守る外壁には、金属サイディングや窯業系サイディング、モルタル、ALC、タイルなどさまざまな種類があります。それぞれに特徴が異なりますが、今回は金属サイディングについて詳しくご紹介しました。金属サイディングは軽量であり、耐震性や断熱性、耐凍害性といった機能面でのメリットがたくさんあります。外壁のリフォームを行う場合には塗装や張り替えといった方法が一般的ですが、金属サイディングでは古い外壁の上から新しい外壁材を重ねて張る「カバー工法」を行うこともできます。
メンテナンスの頻度が少なくて済むのも金属サイディングのメリットですが、劣化が見られると補修を行う必要があります。少しの汚れであれば水洗いを行い、定期的なメンテナンスのタイミングでシーリングの打ち替えや塗装を行うようにしましょう。
創業120年のリフォーム実績のあるハウジング重兵衛の塗装部門として「塗装屋ぬりべえ」は塗装を行っています。千葉県と茨城県にショールームを展開しており、お客様の希望を伺いながら最適なプランをご提案します。お近くのショールームにお気軽にお越しください。