屋根のリフォームを検討している際、家に使われている屋根材ではどのようなリフォームを行うことができるのかが気になりますよね。屋根のリフォームには塗装とカバー工法、張り替えの3種類がありますが、屋根材ごとのリフォーム内容とリフォームするべきタイミングについてご紹介します。
◼ 屋根リフォームの種類
屋根を長持ちさせるためには劣化の症状を見極めた上で定期的なメンテナンスを行うことが大切です。しかし見た目の変化に気付きにくいこともあり、メンテナンスを後回しにしてしまうこともあるかもしれません。屋根の劣化が進んだり、衝撃などによって修理が必要になったりした場合、どのようなリフォーム方法があるのでしょうか。
・塗り替え
塗装は屋根のリフォームの中でも一番手軽なリフォーム方法であり、下地がそこまで傷んでいない場合に有効な方法です。屋根材ごとの塗装の目安となる時期を参考にしながら、機能性を維持するために塗装を行うようにしましょう。塗装が必要ない屋根材である場合、外壁塗装と同じタイミングで屋根の点検を行うようにすると安心です。手間や費用がかかるためつい後回しにしてしまいがちですが、放置すると塗装だけではなく大規模なリフォームが必要になってしまう可能性もあります。
・カバー工法
カバー工法とは、既存の屋根を撤去せずにそのまま新しい屋根材を上からかぶせる方法のことをいいます。下地は傷んでいなくても、屋根材が傷んでいるという場合に選ぶことができる工法です。既存の屋根を撤去・廃棄する費用や手間がかからないため、費用や工期を抑えることができるのがメリット。見た目が新しくなるだけではなく、屋根が二重構造になることから断熱性や遮音性といった性能が上がるのも嬉しいポイントです。
・張り替え
屋根の張り替えは、屋根材と下地の劣化が進んでいる場合に全てを新しくする屋根リフォームのことをいいます。既存の屋根の撤去・廃棄が必要なので費用と手間がかかってしまいます。しかし新しい屋根材の種類を選ばないことや下地の点検を同時にできることがメリットです。張り替えをしなくても良いように定期的な点検やメンテナンスを行うようにしましょう。
◼ 屋根材ごとのリフォーム
日本の家で使われている屋根材にはさまざまな種類があります。屋根材ごとのリフォームについてご紹介します。
・粘土瓦
粘土瓦は、基本的に塗装の必要がなく耐用年数も40~60年と長いのが特徴です。塗装の必要がないことから、リフォームは部分的な補修か葺き直し、葺き替えが選択肢となります。全体的な傷みがなく部分的に欠けたりずれたりしている場合は漆喰の詰め直しなどの部分的な補修を行うことになります。葺き直しは、既存の瓦を一度撤去し、下地を補強した上で既存の瓦を葺き直す方法。葺き替えは瓦だけに限らず、どの屋根材にも葺き替えることができます。葺き直しは材料費がかからないのがメリットであり、葺き替えは屋根材を選び直せることがメリットです。
・セメント瓦、コンクリート瓦
セメント瓦やコンクリート瓦は、文字通りセメントやコンクリートを使った瓦のことをいいます。粘土瓦よりも安い価格で瓦のようなデザインを取り入れられること、断熱性や防音性が高いことがメリットとしてあげられます。また耐用年数が短いことや重量があること、などの理由から最近はほとんど生産されていません。粘土瓦と違って塗装によるメンテナンスが必要で、劣化が進んだ場合は葺き替えを行うことになります。
・スレート
スレート屋根には天然スレートと化粧スレートの2種類があります。天然スレートとは、岩石を使用した素材を薄い板状に伸ばした屋根材のことをいいます。天然石ならではの美しさがあるのが魅力ですが、化粧スレートに比べると価格が高く、重量があることから耐震性が低いのがデメリット。化粧スレートは日本の住宅でよく使用されている屋根材の一つで、耐用年数は15~20年といわれています。化粧スレートは塗膜の劣化や色褪せが起こりやすいため、定期的に塗り替えを行う必要があります。劣化が進んだ場合はカバー工法でのリフォームを行うことが多く、新しい屋根材はガルバリウム鋼板が使われることが多くなっています。張り替えを行う場合、古いスレート屋根にはアスベストが含まれていることがあるため、業者と相談した上で行うようにしましょう。
・トタン
トタンは亜鉛でメッキ加工した金属製の屋根のことであり、価格が安いことや軽量であることがメリット。しかし耐用年数が短いことや錆びやすいこと、断熱性・防音性が低いことなどデメリットが多いため使用する家が減ってきています。トタン屋根をリフォームする場合、色褪せやチョーキングといった軽めの症状であれば塗装、重度のサビや穴が空いている場合にはカバー工法や張り替えを行うのが一般的です。屋根材としての強度を保てないほどサビが発生している場合には張り替えを選ぶようにしましょう。
・ガルバリウム鋼板
ガルバリウム鋼板は軽量で耐震性に優れているのが特徴で、耐用年数は20~30年といわれています。塗膜の劣化や色褪せといった初期症状しか出ていない場合は塗装によるメンテナンスを行います。ガルバリウム鋼板は金属製なので、サビが発生している場合は塗装の前に錆を落とす必要があります。劣化が進んでいるとカバー工法や張り替えを選ぶことになりますが、カバー工法は既存の屋根よりも重いものを選ぶことはできないため、再度ガルバリウム鋼板などの金属屋根を使うことになります。
・銅板
銅板は銅製の板を張り付けた屋根材のことであり、お寺などの特殊な建築物で使用されています。耐用年数が長いことや軽量であることがメリットですが、その分価格が高く施工できる業者が限られるのがデメリット。銅板は表面が酸化することで緑青という状態になり、これによってメンテナンスを行わずに使い続けることができます。そのため塗装などは行う必要がありませんが、穴が空いたり欠けたりといった物理的な破損は起こり得るため、そういった場合にはカバー工法や張り替えを行うことになります。
・アスファルトシングル
アスファルトシングルはガラスの繊維にアスファルトを染み込ませて、表面に石を吹き付けた素材のことをいいます。板状なので複雑な形状の屋根でも対応でき、軽量であることから耐震性が高く、錆びにくく割れにくいのが特徴。表面に吹き付けた石が落ちやすいことやカビ・コケが生えやすいことなどのデメリットも。色褪せや汚れといった症状を解消するために塗装を行うこともありますが、耐用年数自体には関係がありません。色褪せや汚れが気になる人は塗装を行い、耐用年数が近付いてくるとカバー工法や張り替えを検討してみても良いかもしれません。
◼ 屋根リフォームのタイミング
屋根は高いところに上らなければ見えにくい場所なので、劣化に気付きにくいかもしれません。そのため目安となる塗装時期を知った上で、定期的に業者に点検を依頼するようにしましょう。
・耐用年数
屋根塗装に使われる塗料には耐用年数があります。塗装時期は、前回塗装した時期からの年数を目安にすることができます。シリコン塗料は8~10年、ラジカル塗料は12~15年、遮熱塗料は12~15年、フッ素塗料は15~18年、無機塗料は18~20年が一般的な耐用年数。環境や状態によって耐用年数は前後しますが、塗装時期の目安として考えてみてください。
・劣化の症状
屋根も外壁と同じように色褪せや変色が起こることがありますが、見えない部分も多いため初期段階で気付きにくいかもしれません。コケやカビの発生、反りやひび割れといった症状に気付いた場合はできるだけ早めに対応したいものです。瓦が落ちてきたり屋根材が剥がれてきたり、雨漏りがしているような場合はすぐに点検・修理を依頼するようにしましょう。実際に雨漏りがしてからでは遅い場合もあるため、耐用年数を参考にしながら定期的に点検してもらうのがおすすめです。
・定期的な点検
屋根は家を守ってくれる重要な役割を担っていますが、雨風や紫外線などで傷みやすい場所でもあります。家の屋根に気になる箇所が出てきたり、メンテナンスの時期になったりすると、点検だけでも早めに行いたいものです。屋根は劣化の度合いによって、部分的な修理だけで済む場合と塗装が必要な場合、劣化が進むとカバー工法や葺き直しが必要になることもあります。屋根の表面のツヤがなくなると色褪せや変色が起こり、チョーキングやひび割れへと劣化が進んでいきます。チョーキングが起こる前にメンテナンスを行うことで劣化の進み方を抑えることができます。屋根がひび割れると雨水が家の中に入ってしまい、構造部分の腐蝕や雨漏りにつながることがあります。また既に家の中までしみるような雨漏りがある場合はできるだけ早めに業者に相談することをおすすめします。
◼ まとめ
屋根のリフォームには塗装とカバー工法、張り替えの3種類があります。家の屋根の状態に合わせてリフォーム内容を決定する必要がありますが、屋根材ごとに行えるリフォーム内容が異なります。またリフォームを行うタイミングとして、耐用年数や劣化の症状を目安にするようにしましょう。つい後回しにしがちな屋根リフォームですが、放置して取り返しのつかないことになる前に早めに対応することをおすすめします。
塗装屋ぬりべえでは、屋根や外壁の塗装を行っています。創業120年のリフォーム会社『ハウジング重兵衛』がプロデュースする塗装専門ブランドであり、千葉県と茨城県という地域に根差した塗装事業を展開しています。お客様のご要望に最大限お応えできるよう努めていますので、ぜひお気軽にご相談ください。