外壁塗装を検討中なら、ぜひ知っておきたい「コーキング」の知識。「外壁のひび割れや隙間を埋める作業」というイメージがあるけれど、詳しいことは分からないという方も多いのではないでしょうか。
そんな方のために今回は、コーキングはなぜ必要なのか、実際の施工の流れ、そして費用相場について分かりやすく解説します。「外壁塗装をする前に知っておきたい注意点」についてもお話ししていますので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
■ 外壁のコーキングとは?
コーキングは、一言でいうと「建物の外壁にできた隙間やつなぎ目を、目地材(隙間を埋めるための充填材)で埋めて補修する」ことをいいます。
・コーキングを行う箇所
コーキングを行うのは、基本的に以下の3箇所があげられます。
① サイディングボードなどのパネル外壁
サイディングボードを外壁に使用するときにはボードとボードの間に隙間ができてしまうため、その隙間を目地材で埋める必要があります。
② 窓枠やガラスのサッシ
窓枠やガラスのサッシはあらかじめ壁に作っておいた型にはめる形で埋め込むため、どうしても隙間ができてしまいます。この隙間をしっかりと埋めるためにコーキングを行います。
③ パイプ・配管などの水回り
パイプや配管は建物のいたるところに通っているため、そのまわりには隙間ができてしまいます。
そのほか浴室やキッチンなどの水回りも水漏れが起こらないように、しっかりとコーキングする必要があります。
・シーリングとの違い
コーキングのほかに「シーリング」という言葉を聞いたことがある、という方もいるかもしれません。
「コーキングとシーリングは同じもの?どう違うの?」と疑問に思うかもしれませんが、基本的に両者に違いはなく言い回しが異なるだけなので、同じものだと考えて問題ありません。
■ コーキングの役割
外壁にできた隙間を埋めるのがコーキングですが、隙間を埋めることで具体的にどのような効果があるのでしょうか。
コーキングの主な役割は、この3つです。
・ひび割れ防止
地震などの外部からの衝撃、温度の変化によって外壁は膨張と収縮をくり返しています。外壁は硬い素材でできているため、この膨張と収縮によってひび割れができてしまいます。こういったひび割れを防止するために、外壁材の隙間を目地材でコーキングしておきます。目地材は樹脂でできており、ゴムのように弾力があります。この弾力性が、膨張や収縮の緩衝材となる役割を果たすことでひび割れ防止につながります。
・防水性を高める
外壁から屋内への浸水を防ぐのも、コーキングの役割です。外壁の隙間から雨漏りが発生し、それが建物の腐食につながる恐れもあります。そうなると、建物そのものの修繕が必要になってしまうため、コーキングでしっかりと防水性を保っておくことが大切です。
・外壁材料の劣化防止
外壁の膨張・収縮による衝撃をやわらげてくれるのが、弾力性のあるコーキングです。コーキングを行うことにより、外壁材料が破損したりといった劣化の防止になります。外壁材料を長持ちさせるために、コーキングは重要な役割を果たしています。
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■ コーキングの補修方法
コーキングの補修には、「打ち増し」「打ち替え」という主に2つの方法があります。
・打ち増し
打ち増しは、既存のコーキングの上から追加でコーキングを施す方法です。既存のコーキングを取り除いて一からコーキングを行うわけではないので、大掛かりな工事は必要なく費用が抑えられます。一方で、追加で補修を行うという方法のため、高い補修効果はあまり期待できません。もし既存のコーキングの劣化が激しい場合は、打ち増しでの補修ができないこともあります。
・打ち替え
コーキングの劣化が進んでいる場合や高い補修効果を望む場合には、打ち替えという補修方法で行います。これは、既存のコーキングを取り除いたうえで新たにコーキングを行う方法です。打ち増しと比較すると費用はかかってしまいますが、より耐久性の高い外壁にすることが可能です。
■ コーキングの流れ
コーキング作業は、大きく8つのステップに分かれます。
① 既存のコーキングを取り除く
打ち替えでコーキングを行う場合は、まずコーキングを取り除くことから始めます。
カッターで切り込みを入れて、徐々に取り除いていきます。
② 溝をきれいに洗浄する
次に、古いコーキングを取り除いてできた溝をきれいに洗浄します。
きちんと洗浄を行うことで新しくコーキングをする際に、接着力が高まり仕上がりもきれいになります。
③ 養生をする
新たにコーキングを行う外壁のまわりに傷や汚れがつかないよう、養生をします。
ビニールやテープなどで外壁を保護します。
④ 下塗り材を塗る
コーキングをする前に、まずは下地となる「下塗り材」を塗って乾燥させます。
コーキングをしっかりと溝に密着させるための大切な作業となります。
⑤ 目地材で溝を埋める
下塗り材が乾燥したら、目地材で溝を埋めていきます。
隙間ができないように、少し溝からはみ出すよう多めに目地材を注入します。
⑥ ヘラで平らにする
溝を埋める作業が終わったら、表面をヘラで平らにします。
そうすることで、溝にきちんと密着し隙間を完全になくすことができます。
表面を平らにすることで、仕上がりの見た目もきれいになります。
⑦ 養生を剥がす
コーキングの作業が一通り終わったら、養生を剥がします。
⑧ 乾燥させる
最後に、コーキングを乾燥させます。完全に乾くまでには約1週間かかります。
■ コーキングの費用相場・耐用年数
・費用相場
コーキングの費用相場は、打ち増しの場合「700~900円/m」、打ち替えの場合「1000~1200円/m」ほどです。あくまでも相場ですので、依頼する業者によって異なります。
業者に相談する際には、きちんと見積りを出しもらって検討するようにしましょう。
・耐用年数
コーキングの耐用年数は、平均で5~10年ほどです。
コーキングは、まず「ひび割れ」→「剥離(コーキングが剥がれる)」→「肉痩せ(目地材が痩せ細る状態)」の順に劣化していきます。
コーキングの劣化が進んでしまった場合、外壁への損傷や工事費用が増してしまうこともあるため、早めに業者へ相談するようにしましょう。
■ コーキングを行うタイミング
コーキングの劣化状況は、見た目ですぐに確認することができます。「ひび割れが目立ってきた」「コーキングが剥がれている」など、劣化が見られたらまずは業者に相談をしましょう。
そこで、コーキングと同時に屋根・外壁塗装も同じタイミングで行った方がいいのでは?と考える方もいるかもしれません。
コーキングの平均耐用年数は5~10年、外壁塗装の耐用年数は塗料にもよりますが約10~20年といわれています。耐用年数から考えると、コーキングの方が早めに補修タイミングが訪れることが多いです。
もしコーキングを考えたタイミングで、屋根・外壁塗装の劣化も見られた場合には、業者に相談の上できる限り同時に行うことをおすすめします。理由は、コーキングと屋根・外壁塗装を別々に行うよりも、費用が安く抑えられるからです。また、何回も工事を行う必要もありません。
一方で、コーキングが劣化しているからといって不必要な外壁塗装を行うと、逆に無駄な費用がかかってしまうので、どこをいつ修繕すべきかはプロの業者に判断してもらうのが良いでしょう。
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■ コーキングをする際の注意点
最後に、コーキングをする際の注意点を2つお話しします。
・DIYはおすすめしない
コーキングを業者に依頼するとどうしてもお金がかかってしまうため、できるならDIYで補修したいと考える方も多いでしょう。DIYの場合はたしかに費用は安く済みますが、危険が伴ったり思った通りの仕上がりにならなかったりなどのリスクがあるのでおすすめできません。
外壁の高いところを補修する場合ははしごを使う必要があり、慣れない作業で落下事故が起こる危険があります。時間も労力もかけたのに結果的に仕上がりの見た目が悪くなってガッカリ、なんてこともあります。
費用はかかりますが、プロの業者に任せる方が安心・安全に外壁をきれいにしてもらえます。
・悪徳業者に気をつけよう
コーキングは、悪徳業者によって手抜き工事が行われたり、相場範囲を超える高額な費用を請求されてしまったりということがあります。
そういった被害に遭わないように、依頼者自身がコーキングについて基本知識を知っておくこと、そしてきちんと事前に見積りを出してもらうことが非常に大切です。
■ まとめ
コーキングは、外壁の隙間を埋めることで防水性を保ったり外壁材の劣化防止の役割を果たしています。ひび割れや剥がれなど、外壁の劣化が気になったらまずは業者に相談しましょう。
ハウジング重兵衛の塗装屋ぬりべえでは、外壁や屋根の塗装だけではなくシーリングの補修も承っております。劣化が気になる方のお宅にお伺いして、外壁や屋根の診断・見積りを無料で行っておりますので、千葉県と茨城県にお住まいの方はぜひお気軽にご相談ください。
〈施工事例〉
外壁の褪色と、特に目地コーキングの方が気になっており今回の工事でコーキングの打替えと打ち増しを行いました。 もともと2色の外壁材だったので、今回も塗り分けを行い、メリハリをつけた外観に仕上がりました。