コラム

外壁の「凍害」を知っていますか?冬の湿気がサイディングを破壊する理由

最終更新日時 : 2025.12.30

外壁の「凍害」を知っていますか?冬の湿気がサイディングを破壊する理由

外壁の「凍害」を知っていますか?冬の湿気がサイディングを破壊する理由

外壁がポロポロと剥がれ落ちる「凍害(とうがい)」は、冬の寒さと湿気がサイディングを内側から破壊する恐ろしい現象です。

一度発生すると塗装だけでは補修できず、張り替えが必要になるケースも少なくありません。

今回は凍害のメカニズムと、大切な住まいを破壊から守るための対策を詳しく解説します。


この記事はこんな方におすすめ!
・冬の外壁剥がれやひび割れが気になる方
・サイディング外壁を長持ちさせたい方

1 外壁をボロボロにする「凍害」の正体とは?

凍害(とうがい)とは、外壁材の内部に染み込んだ水分が、冬場の冷え込みによって凍結・融解を繰り返すことで、外壁材そのものを物理的に破壊してしまう現象を指します。

水は凍ると体積が約9%膨張します。この膨張する力が、サイディングボードの組織を内側から押し広げ、ひび割れや剥離を引き起こすのです。

初期症状としては、塗装の表面が浮いてきたり、小さなひび割れが見られたりする程度ですが、進行すると表面が薄く剥がれ落ちる「スケーリング」が発生します。

さらに悪化すると、サイディングの厚みが半分ほどになるまで崩落することもあり、家の構造体にまで水分が達する危険性があります。

  • 凍害は水分が凍る際の「体積膨張」によって外壁を内側から物理的に破壊する現象である。
  • 初期は小さな塗装の浮きだが、進行すると外壁材そのものが欠落するスケーリングに発展する。
  • 深刻化すると家の構造部(柱や土台)の腐食を招き、建物全体の寿命を大幅に縮めてしまう。

2 なぜサイディングが?湿気と水分が招く破壊のメカニズム

現在、日本の住宅の主流である「窯業系サイディング」は、セメントと繊維質を混ぜ合わせて作られています。この素材自体は非常に吸水性が高いため、表面の「塗膜」によって防水性を保っています。

しかし、経年劣化で塗装が剥げてきたり、シーリング(目地)に隙間ができたりすると、そこから雨水や冬の結露による湿気が侵入します。

特に冬場は、室内からの暖まった湿気が壁の内部に入り込み、外気との温度差で壁の中で結露(内部結露)を起こすことがあります。

外壁材の裏側に溜まった水分が夜間に凍結し、日中に溶ける。このサイクルを毎日繰り返すことで、サイディングの強度が著しく低下し、最後にはボロボロになります。

  • サイディングの主成分はセメントであり、塗装が剥がれるとスポンジのように水を吸ってしまう。
  • 塗装の劣化や目地の割れだけでなく、室内外の温度差による内部結露も凍害の大きな要因。
  • 凍結と融解のサイクルを繰り返すことで組織が脆くなり、吸水性がさらに高まる悪循環に陥る。

3 凍害が起きやすい地域と家の特徴をチェック

凍害は北海道や東北などの極寒の地だけで起きるものではありません。

実は、マイナスとプラスの気温を頻繁に行き来する関東以西の内陸部などでも多発します。

ずっと凍っているよりも、「凍る・溶ける」を繰り返す環境が最も外壁に負荷をかけるからです。

家の特徴としては、まず「浴室の窓周り」や「北側の壁」が危険です。浴室は湿気が多く、窓サッシの結露が外壁に伝わりやすいためです。また、軒(のき)が出ていない住宅も要注意です。

雨が直接外壁に当たりやすく、水分供給量が多いため凍害リスクが高まります。直張り工法(通気層がない古い工法)の家も、湿気が逃げ場を失うため被害が顕著に出やすい傾向にあります。

  • 極寒地よりも、1日の中で気温が氷点下とプラスを行き来する寒暖差の激しい地域が危険。
  • 水蒸気が発生しやすい浴室周りや、日当たりが悪く乾燥しにくい北側の外壁は特に注意。
  • 軒のないデザイン性の高い家や、壁内換気が不十分な古い構造の家は凍害リスクが極めて高い。

4 放置厳禁!凍害を見つけた時の補修と対策

もし、自宅の外壁がポロポロと剥がれ始めていたら、単なる「塗り替え」では対応できません。

壊れた組織の上に塗装をしても、すぐに下地ごと剥がれてしまうからです。

軽度の場合は、崩れた部分を削り取り、専用のパテやモルタルで成形してから、防水性の高い塗料で仕上げます。

しかし、広範囲にわたって崩落している場合は「サイディングの張り替え」または既存の外壁の上に新しい壁を貼る「カバー工法」が必要になります。予防策としては、何よりも「塗装の防水機能を切らさないこと」です。

特に凍害に強い「難付着サイディング用下塗り材」や、透湿性の高い塗料を選ぶことで、内部結露によるリスクを低減できます。

  • 凍害部位は強度が失われているため、洗浄・塗装だけでは不十分で特殊な下地補修を要する。
  • 重症化した凍害は塗装不可。被害が拡大する前に張り替えやカバー工法を検討する必要がある。
  • 予防には「防水」と「透湿」のバランスが重要。湿気を逃がしつつ水の侵入を防ぐ塗料を選ぶ。

まとめ

凍害は、知らぬ間に家の寿命を削るサイレントキラーです。

冬が終わった春先に、外壁を一度じっくり観察してみてください。もし剥がれや浮きを見つけたら、それは家が発しているSOSです。

早めのメンテナンスを行うことで、高額な張り替え費用を抑え、大切な住まいを末長く守ることができます。

まずは外壁診断のプロに、現状を正確に確認してもらうことから始めましょう。

この記事を書いたスタッフ

塗装屋ぬりべえ 編集部
塗装屋ぬりべえ 編集部
かけがえのない日々の想い出を、より素敵に彩るお手伝いこそ、私たちハウジング重兵衛のしあわせです。
お客様の幸せを、自らの幸せに感じて。
あらゆる家づくりと住まいのプロフェッショナルとして、地元千葉と茨城との地域密着や社会貢献にもつながっていく企業として、お客様の幸せを礎に、200年企業を目指してまいります。
リフォームを中心とした住宅業界
免許登録

・一級建築士事務所 登録番号 第1-2004-7311号
・国土交通大臣 許可(般-5)第25003号
・宅地建物取引番号(5)第13807号

資格情報

・一級建築士
・二級建築士
・インテリアコーディネーター

この記事に関するテーマ