屋根に積もった雪が一気に滑り落ちる落雪は、カーポートの損壊や歩行者の事故につながる大変危険な現象です。
実は、屋根塗装を行うことで雪の滑りを調整し、これらの事故を未然に防ぐことが可能です。
今回は、雪対策としての屋根塗装の役割や、落雪事故を防ぐためのメンテナンス方法について詳しく解説します。
この記事はこんな方におすすめ!
・屋根からの落雪事故を未然に防ぎたい方
・雪が滑りやすい塗料について知りたい方
目次
1 屋根塗装で雪の滑りはどう変わる?摩擦抵抗と塗膜の関係
屋根の雪が滑り落ちるかどうかは、屋根材の表面の「摩擦抵抗」に大きく左右されます。
新築時の屋根は塗膜がしっかりしており、表面が滑らかですが、経年劣化によって塗膜が剥がれ表面がザラついてくると、雪が引っかかりやすくなります。
これが中途半端に雪を留まらせ、ある程度の重量になったところで一気に崩落する「雪崩」のような落雪を引き起こします。
塗装によって表面を滑らかに再生することで、雪が積もりすぎる前に小まめに滑り落とすことが可能になります。特に勾配の急な屋根では、塗装のメンテナンスが直接的な雪対策に直結します。
- 劣化した屋根のザラつきは雪を留まらせ、巨大な雪塊を作る原因となる。
- 塗装によって表面の摩擦抵抗を減らすことで、雪が大きく育つ前に自然に滑り落とせる。
- 雪を「滑らせる」か「止める」かは、塗装と雪止め金具の併用でコントロールする。
2 滑雪性能に特化した「滑雪塗料」のメリットと選び方
雪国などで特に重宝されるのが、一般的な塗料よりもさらに雪が滑りやすい性質を持つ「滑雪塗料(かつせつとりょう)」です。
これらはシリコンやフッ素樹脂をベースに、雪が付きにくい撥水性や低摩擦性を極限まで高めた機能性塗料です。
滑雪塗料を塗ることで、屋根に雪が定着しにくくなり、雪かきの負担を大幅に軽減できるほか、屋根への過度な積雪による建物の歪みも防ぐことができます。
ただし、隣家との距離が近い場合は、滑りすぎて隣の敷地に雪が入り込むトラブルも想定されるため、周囲の状況に合わせた慎重な塗料選びが求められます。
- 滑雪塗料は特殊な樹脂配合により、通常の塗料を遥かに凌ぐ滑りやすさを実現している。
- 屋根に雪が溜まりにくくなるため、雪自体の重みによる建物へのダメージを軽減できる。
- 落雪の方向や飛距離が変わるため、施工前に近隣環境との相性を確認することが不可欠。
3 落雪事故を防ぐ!雪止め金具と塗装の相乗効果
「雪が滑りやすくなりすぎては困る」という場所には、塗装と同時に「雪止め金具」の設置や点検を行うのが一般的です。雪止め金具は、屋根の途中で雪をキャッチし、一気に落ちるのを防ぐ役割を果たします。
しかし、この金具自体も金属製であれば錆びが発生し、強度が落ちていきます。
塗装工事の際には、これら金具の防錆処理もセットで行うことで、冬の間しっかりと雪を支え、必要な分だけを溶かして流す仕組みを維持できます。
塗装で屋根材自体の防水性を守りつつ、金具で落雪のタイミングをコントロールするのが、最も安全な冬の屋根メンテナンスと言えます。
- 雪止め金具を併用することで、塗装で滑りやすくなった雪の「一気落ち」を防止する。
- 塗装のタイミングで金具の錆びや緩みを点検し、本来の保持機能を維持させることが重要。
- 金具周辺は水が溜まりやすいため、念入りな塗装とコーキング処理が雨漏り防止にもなる。
4 錆びを放置すると危険!冬の前にチェックすべき金属屋根のサイン
日本の屋根に多いトタンやガルバリウム鋼板などの金属屋根は、冬の湿気や雪の重みで錆びが進行しやすい性質があります。
錆びた部分は表面が非常にザラザラしており、雪を掴んで離しません。そのまま雪が積もると、錆びた箇所に強い荷重がかかり、屋根材に穴が開いたり、最悪の場合は屋根ごと崩落したりする恐れがあります。
冬のシーズンに入る前に、屋根の色あせや小さな赤錆が見られないか確認しましょう。
冬場は屋根に登っての点検が困難になるため、秋までの「早めの塗装」が、冬場の安心を確保するための鉄則となります。
- 金属屋根の錆びは雪を定着させ、屋根材の腐食と雪崩リスクの両方を増大させる。
- 雪の重みは想像以上に重く、錆びて弱くなった屋根材に致命的なダメージを与える。
- 冬は点検自体が危険になるため、秋までに塗装による保護を完了させるのがベスト。
まとめ
屋根の雪対策において、塗装は「雪の滑り」を最適化し、事故を防ぐための重要なメンテナンスです。
滑りすぎて困る場所、滑らせて雪を下ろしたい場所、それぞれの状況に合わせた塗料選びと金具の調整が必要です。
今年の冬を安心して過ごすために、まずは屋根の塗膜の状態をプロにチェックしてもらい、適切な対策を立てることから始めましょう。