窯業系サイディングの工法や厚みによる違い|塗装の際の注意点も

1980年代まで外壁材の主流であったモルタルを抜いて、日本における外壁材のうち一番のシェアを誇るのが窯業系サイディング。

 

セメントと繊維質を混ぜて板状にしたもののことをいい、豊富なデザインの中から好きなものを選ぶことができます。

 

そんな窯業系サイディングの工法や厚みによる違いといった詳しい知識をご紹介します。

 

またリフォームのときに役立つ塗装に関する注意点も知っておきましょう。

 

 

◼ コラムのポイント

1、窯業系サイディングとは、セメントや繊維質を主原料とする外壁材

2、2000年代以降は外気通気構法が主流で、厚みによって施工方法や仕上がり、耐火性などが異なる

3、サイディングは防水性が低いため、定期的な塗装が必要

 

 

 

 

 

◼ 窯業系サイディングとは

シックな外壁

窯業とは、粘土や石灰岩といった非金属の原料を窯で高熱処理して、ガラスやセメントなどを作りだす工業のこと。窯業系サイディングとは文字通り窯業によって作られる外壁材であり、セメントや繊維質が原料となっています。

 

防火性が高く施工性が良いことから、日本における一戸建て住宅の7割以上のシェアを占めるようになりました。

 

 

窯業系サイディングはカラーバリエーションやデザインの種類が豊富で、好きなデザインを選んで施工できるのが人気の理由の一つ。レンガ調やタイル調など高級感のあるデザインも比較的安価に施工することができます。

 

1980年代まで主流だったモルタルが職人による手作業だったのに対し、窯業系サイディングは大量生産できることからコストパフォーマンスに優れている点もメリットとしてあげられます。

 

その一方でグレードの低いものを選ぶと安っぽい印象になってしまうことがある点や太陽の熱を吸収しやすく表面温度が高くなりやすい点がデメリット。

 

主原料であるセメントはもともと防水性がない素材なので、定期的な塗装を行わなければなりません。またサイディングボードのつなぎ目に埋めるシーリングが劣化しやすいため、塗装だけではなくシーリングの補修や打ち替えといったメンテナンスも必要です。

 

サイディングのメリットとデメリットについて詳しくはこちらのコラムをご覧ください。
普及率の高い窯業系サイディングとは?メンテナンス方法も

 

 

◼ 窯業系サイディングの工法

オレンジの外壁

人気の外壁材である窯業系サイディングですが、どのような工法で施工されているのでしょうか。

 

現在の主流となっている外壁通気構法と従来よく使われていた直張りの2種類、施工手順をご紹介します。

 

・外壁通気構法

最近の住宅では耐震性や防火性が向上している一方で、家の中や構造部分が気密になることで壁の内部で結露が発生するという問題が起こっています。結露によって構造が腐蝕したり耐久性が落ちたりすることも。

 

そういった弊害をなくすために、2000年代以降、外壁材の内側と断熱材の間に通気層を設ける外壁通気構法が主流となっています。

 

 

外壁材の内側と断熱材の間に通気層を設けることで湿気がこもりにくくなり、断熱材の傷みも進みにくくなります。遮熱効果も生まれるため外気温の影響が少なくなり、省エネにもつながります。

 

その一方で通気層を設けるために必要な材料が多くなり、工期や費用が少しかさんでしまうのがデメリット。最近は工場でのユニット化によって工期の短縮、費用の削減が実現できています。

 

 

・直張り工法

2000年代以降は外壁通気構法が主流になったとご紹介しましたが、それまでは防水紙の上からそのまま外壁材を張り付ける「直張り」といわれる工法が主流でした。

 

直張りは外壁通気構法と比べて構造が複雑ではないため、必要な材料が少なく工期も短い点がメリット。しかし湿気がこもりやすいこと、それによってカビが発生しやすいこと、断熱材が傷みやすいことがデメリットとしてあげられます。

 

雨漏りが発生する可能性も高まるため、雨水の侵入を防ぐためにも直張りの家では特に外壁塗装が必要です。

 

サイディングの外壁でリフォームをご検討の方はこちらのコラムもご覧ください。
サイディングの外壁をリフォームする方法とは

 

 

・施工手順

窯業系サイディングの施工方法には、釘留めと金具留めの2種類の工法があります。それぞれの方法の違いと下地施工後の流れもご紹介します。

 

釘留め工法

釘留め工法では下地にサイディングボードを釘で直接留める工法のことをいいます。金具留め工法よりも費用が安いことがメリットですが、釘の耐久性が低いことやサビたり凍害によってひび割れたりする可能性も。

 

金具留め工法

金具留め工法はステンレスの金具を下地に固定して、金具にサイディングボードを引っ掛ける工法です。釘留め工法より少し費用は高くなってしまいますが、窯業系サイディングのメリットの一つである耐震性を更に高めることができ長持ちさせられるのがメリットです。

 

下地施工後の流れ

釘留め工法か金具留め構法で下地を施工したあとはサッシのチェックを行い、サイディングの割り付け、土台水切りの取り付け、防水テープと防水紙の貼り付け、付属部材の取り付け、サイディングの切断や留め付け、シーリング工事、点検という手順で施工が進みます。

 

 

 

◼ 厚みによる違い

ツートンカラーの外壁

サイディングボードは厚みによって種類が分けられており、厚みによって施工方法や仕上がり、耐火性などが異なります。

 

14mm、15mm、16mm、18mmなどさまざまな厚さがありますが、一般的には14mmと16mmのサイディングボードが使われることが多くなっています。

 

 

・施工方法

先にご紹介した釘留め工法と金具留め工法ですが、厚みによって施工方法が分けられています。

 

15mm未満のボードは釘で打ち付けていく釘留め工法、15mm以上のボードは金具に引っ掛ける金具留め工法で施工されます。強度が気になる場合、15mm以上のサイディングボードを選ぶと安心です。

 

 

・仕上がりやデザイン

厚みによって施工方法が異なることから、仕上がりも変わってきます。

 

15mm未満のサイディングボードは表面から釘が見えるため目立たないように外壁塗装と同じ色で補修しますが、釘が見えてしまうことも。15mm以上のサイディングボードは金具にボードを引っ掛ける施工方法なので、表面に金具が見えることはありません。

 

また15mm以上のサイディングボードは、15mm未満のサイディングボードと比べてデザインの種類が豊富になります。厚みが増すことで重厚感も出るため、デザイン性にこだわりたい人は15mm以上のサイディングボードを選ぶことをおすすめします。

 

デザイン性の高い「ツートンカラー」に外壁塗装する際のポイントはこちら
外壁をツートンカラーに塗装するときのポイントと塗り分け方

 

 

・耐火性

サイディングボードは商品によって耐火等級が異なりますが、厚みがあるほど等級値が高くなります。

 

耐火等級2は火を遮る時間が20分以上、耐火等級3は45分以上、耐火等級4は60分以上といわれています。耐火性の面でも厚みのあるボードを選ぶのが良いといえます。

 

 

◼ 塗装に関する注意点

白の外壁

外壁の塗装は美観の維持やデザインの変更といった見た目を良くする意味合いもありますが、劣化の補修や機能性のアップなどの目的もあります。

 

特にサイディングボードは防水性が低いため定期的な塗装で防水性能を補う必要があります。そんなサイディングボードの塗装に関する注意点をご紹介します。

 

 

・直張り工法は張り替え

サイディングボードの施工方法には外壁通気構法と直張り工法があることをご紹介しました。2000年代までに施工されたサイディングボードは直張り工法であることが多いですが、湿気などで塗料が膨れたり剥がれたりしてしまうことがあります。

 

そのため直張り工法で施工されている場合、塗り替えではなく張り替えを行った方が適切であることも。外壁の状態にもよるため、まずは業者に相談してみることをおすすめします。

 

 

・弾性塗料が適さないことも

サイディングボードは防水性が低く、表面温度が上がりやすい特徴があるため、弾性塗料を使用すると塗料の膨れや剥がれの原因となることがあります。弾性塗料は表面温度が上がると塗膜が柔らかくなる特性を持つためです。

 

サイディングボードには断熱材が使われており表面温度が上がりすぎないようになっていますが、夏場高温になってしまうときなどには劣化につながる可能性があるため注意が必要です。

 

 

・洗浄と下地処理

外壁塗装を行う場合、塗装の手順の前に洗浄や下地処理を行うのが一般的です。

 

洗浄によってしっかり汚れを落とすことで塗料の密着度を高め、下地処理を行うことで耐久性を高めることができます。洗浄や下地処理の丁寧さによって仕上がりの見た目が大きく変わるわけではないため、引き渡しの際に気付かないこともあるかもしれません。

 

しかし手抜きがあった場合、年数が経つと劣化が早く進んでしまうこともあるため作業中に現場を訪れて確認すると良いでしょう。

 

 

・シーリングの補修

サイディングボードはボードのつなぎ目を埋めるためにシーリングを充填します。

 

ボードをつなぎ合わせて施工するサイディングボードではシーリングが必要ですが、年数が経つごとに肉痩せや剥離、ひび割れといった劣化が起こりやすく、放置すると雨漏りが起こってしまうこともあります。

 

シーリングの補修には、既存のシーリングの上から新しいシーリングを充填する増し打ち、既存のシーリングを剥がして新しいシーリングを充填する打ち替えの2種類があります。

 

耐久性を高めるためには打ち替えを行うことをおすすめします。定期的な塗装も必要ですが、サイディングボードではシーリングの補修も忘れないようにしましょう。

 

シーリングについてのコラム
外壁塗装でよく聞く「シーリング」とは?

 

 

◼ まとめ

おしゃれな外壁

日本の住宅における外壁材の約7割のシェアを誇っている窯業系サイディング。

 

デザイン性が高くコストパフォーマンスに優れているというメリットがある一方で、防水性が低くシーリングの補修が必要などメンテナンスの頻度が高いことがデメリットとしてあげられます。

 

適切な頻度で外壁塗装を行うことで家自体の寿命を保つことができますので、美観の観点はもちろん、機能性や外壁保護の意味合いでも定期的な塗装を推奨しています。

 

塗装屋ぬりべえは、創業120年のリフォーム会社「ハウジング重兵衛」がプロデュースする塗装専門ブランドです。

 

千葉県と茨城県において地域最大級のショールームを展開するなど地域に根差した塗装事業を展開しています。ショールームへのご来店はもちろん、電話やメールでのお問い合わせもお待ちしております。

 

 

著者情報

塗装屋ぬりべえ 編集部

塗装屋ぬりべえ 編集部

かけがえのない日々の想い出を、より素敵に彩るお手伝いこそ、私たちハウジング重兵衛のしあわせです。
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あらゆる家づくりと住まいのプロフェッショナルとして、地元千葉と茨城との地域密着や社会貢献にもつながっていく企業として、お客様の幸せを礎に、200年企業を目指してまいります。

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