コラム

スレート屋根とは|種類や劣化症状、メンテナンスについて

最終更新日時 : 2021.12.22

スレート屋根とは|種類や劣化症状、メンテナンスについて

スレート屋根とは|種類や劣化症状、メンテナンスについて

家の屋根に使われる屋根材にはさまざまな種類があります。それぞれ特徴が異なりますが、その中でもスレート屋根は約3割を占めるといわれています。普及率が高い一方で耐久性が高いわけではないため、定期的な点検やメンテナンスが必要です。まずはスレート屋根の特徴と種類、スレート屋根を選ぶメリットとデメリットを知っておきましょう。その上で劣化の症状やメンテナンスについてご紹介します。

 

◼ スレート屋根とは

レンガ調の外壁

家を建てるときやメンテナンスのとき以外で屋根の種類について考えることは少ないかもしれませんが、屋根材にはさまざまな種類があります。その中でも普及率が高いスレート屋根の特徴と種類についてご紹介します。

 

・スレート屋根の特徴

スレートとは粘板岩を板状に加工したもののことをいい、デザイン性が高いことや薄くて軽量であることが特徴です。軽量であることから耐震性にも優れており、屋根材や外壁材などに使われています。スレート屋根には天然スレートと化粧スレートの二種類があります。

 

・天然スレート

粘板岩を素材としたもののことを「天然スレート」といいます。自然な風合いが感じられることや独特な模様が特徴です。作る際に高い技術を要することから品質が高い屋根材ですが、その一方で価格が高いことから天然スレートは住宅用としてはあまり普及していません。日本で使用する場合は海外で作られたものを輸入して使うのが一般的です。日本では東京駅丸の内公舎の屋根にも使用されており、海外ではお城やお寺などで使われることもあります。

 

・化粧スレート

化粧スレートはセメントと繊維質を混ぜた素材を板状に加工したもののことをいいます。品質が安定していることや作業性が高いことが特徴。天然スレートと比べて費用を抑えることができるため、日本でスレート屋根という場合にはほとんどが化粧スレートのことを指します。

 

化粧スレートは素材にどんな繊維を使用するかによって、石綿スレートと無石綿スレートの二種類に分けられます。石綿スレートはセメントに石綿を混ぜたもののことであり、健康被害が懸念されるため平成18年以降は使用されていません。そのため石綿以外のパルプなどの繊維をセメントと混ぜた無石綿スレートが現在の主流となっています。色や形、デザインが豊富であることが特徴です。

 

◼ メリットとデメリット

カーキの外壁と屋根塗装

スレート屋根の特徴と種類が分かったところで、次に屋根材にスレートを使用することのメリットとデメリットをご紹介します。

 

・メリット

スレート屋根のメリットとして、色やデザインが豊富であること、軽量であり耐震性が高いこと、費用を抑えられること、多くの業者が施工できること、この4つがあげられます。一つ目のデザイン性に関しては、カラーバリエーションが豊富なのでイメージに合った色を選びやすく、シンプルなデザインが多いため外壁とも合わせやすいのが嬉しいポイントです。形にも平板と波型などの種類があるため、好みに合わせて選ぶことができます。

 

二つ目に化粧スレートは厚さが5~6mmと薄いことから軽量であり、家への負担が少なく耐震性も高い屋根材となっています。三つ目に他の屋根材よりも価格が安いことがあげられますが、本体価格が安いわけではなく他に部品を必要としないことや加工をしやすいことから費用を抑えられるという仕組みです。四つ目に普及率の高さからスレート屋根の施工をできる業者はたくさんいます。そのため工事や修理を依頼したいときに業者を選びやすいのがメリットとなっています。

 

・デメリット

スレート屋根のデメリットは割れやすいことや耐久性・防水性が低いこと、コケやカビが発生しやすいことなどがあげられます。特に凝ったデザインのものは割れやすい傾向にありますが、全て張り替えるのではなく部分的な補修のみで良い場合もあります。

普及率が高い一方で耐久性が高いというわけではありません。そのため防水性を高めるための塗装を行ったり、ひび割れや反りといった劣化が起こったときに補修を行ったりと、定期的なメンテナンスが必要です。

 

◼ 劣化の症状

暖色系の外壁

スレート屋根で考えられる劣化の症状とはどのようなものがあるのでしょうか。メンテナンスするべきかお悩みの場合は、家の屋根と上体を比較して、同じような症状がみられる場合は早めに業者に依頼するようにしましょう。

 

・色褪せ

屋根は高い位置にあるためなかなかチェックしにくいかもしれませんが、色褪せが見られた場合は塗膜が劣化して防水効果が低くなっている可能性があります。色褪せが起こると美観にも影響するため、メンテナンスを行うタイミングの目安として考えておくと良いでしょう。

 

・カビや藻

カビや藻は日当たりが悪いところや湿気がこもりやすい部分で起こりやすいのが特徴です。塗膜が劣化して防水効果が低くなると、スレート屋根の主成分であるセメントは水を吸収しやすくなります。これによって湿気を含んだ屋根にカビや藻が発生するという仕組みです。そこまで大量に発生しているわけではない場合は高圧洗浄で洗い流すと落ちることもあります。

 

・ひび割れ

塗膜が劣化して防水効果が低くなると雨や雪が降ったときにスレート屋根が水分を吸収しやすく、太陽光で乾燥します。屋根が吸水と乾燥を繰り返すことによって膨張と収縮にスレートが耐え切れず、ひび割れが発生してしまいます。ひび割れを放置すると隙間から雨水が入り込んで雨漏りの原因となってしまうことも。

 

・反りや欠け

ひび割れを放置していると、ひび割れていた部分が欠けてしまうこともあります。反りや欠けが見られた屋根を放置しておくと、反った部分や欠けた部分から雨水が入ってしまう可能性があります。これらの症状が見られた場合は塗装ではなく補修は張り替えといったメンテナンスを行うことをおすすめします。

 

・雨漏り

家の中まで雨漏りしていたり、天井や壁にシミができたりしている場合、屋根の表面だけではなく内部まで浸水している可能性があります。雨漏りが起こった場合は、他の症状よりも劣化が申告なので、できるだけ早く業者に点検を依頼するようにしましょう。

 

◼ メンテナンス

外壁と屋根の塗装

スレート屋根で考えられる劣化の症状をご紹介しましたが、メンテナンス方法にはどういった種類があるのでしょうか。症状の程度に合わせてメンテナンス方法を確認してみてください。

 

・塗装

塗装は、屋根の汚れを高圧洗浄で取り除いたあとに新しい塗料を塗装する工事のことをいいます。スレート屋根は防水性が低い屋根材なので、色褪せ、カビや藻の発生など、劣化の症状が軽度である場合は塗装によるメンテナンスで防水効果を補うようにしましょう。塗装を行うことで屋根材自体の劣化を抑えたり、長持ちさせたりすることもできます。張り替えやカバー工法などに比べて費用を抑えることができるのが塗装のメリット。定期的な塗装を面倒に感じるかもしれませんが、劣化が進んで張り替えを行わなければならなくなると更に費用がかかってしまうため、できるだけ早めに対応することをおすすめします。

 

・カバー工法

塗装ではメンテナンスできないほど劣化が進んでいる場合は、カバー工法か張り替えのどちらかを選ぶことになります。カバー工法とは古い屋根材の上に新しい屋根材を重ねて張ることをいいます。重さのある屋根材を重ねると家に負担がかかってしまうので、軽量であるガルバリウム鋼板などが使われることが多くなっています。屋根が二重になるため、防音性や断熱性を高められるのがカバー工法のメリットです。また古い屋根材を撤去する費用や手間が必要ないことから、費用を抑えられることや工期が短くて済むこともカバー工法のメリットだといえます。しかし屋根が二重になっていることのデメリットとして、雨漏りが起きてしまったときに原因を特定しにくいことがあげられます。

 

・張り替え

カバー工法も選べないほど劣化していたり、新しい屋根に変えたいといった場合には張り替えという方法を選ぶことになります。古い屋根材を撤去するため費用や手間がかかってしまいますが、張り替えを行うことで耐久年数を延ばすことができます。塗装やカバー工法よりも費用が高くなるだけではなく、下地の取り換えが必要になると更に費用がかかってしまう可能性があることも頭に入れておくようにしましょう。定期的に塗装などのメンテナンスを行っていれば張り替えが必要になることはありません。屋根の状態を知った上で、適切なメンテナンスを行うようにしましょう。

 

・定期的な点検

屋根は家の中でも最も高い位置にあるため、なかなか自分の目で確認できる機会はありませんよね。2階から1階の屋根が見られるような場合は定期的に自分でも色褪せやひび割れなどはないかどうか確認してみると良いでしょう。屋根を自分で見ることができない場合は、定期的な点検を業者に依頼することをおすすめします。塗装には費用がかかってしまいますが、放置しておくと張り替えしか選ぶことができず、塗装よりも費用が高くつくこともあります。屋根材の寿命や塗料の耐用年数ギリギリではなく、早めに点検するようにしましょう。

 

◼ まとめ

屋根の塗装

屋根材にはさまざまな種類がありますが、その中でも普及率の高いスレート屋根についてご紹介しました。スレート屋根には天然スレートと化粧スレートの二種類があり、日本の住宅には化粧スレートが使われていることが一般的です。劣化の症状やメンテナンス方法を確認した上で、自分の家の屋根の状態と照らし合わせてみてください。

 

塗装屋ぬりべえは創業120年のリフォーム会社「ハウジング重兵衛」がプロデュースする塗装部門です。千葉県と茨城県に展開している地域最大級のショールームでは、カラーサンプルやカラーシミュレーションを見ることができます。千葉県と茨城県で外壁や屋根の塗装を検討している場合はぜひお気軽にご相談ください。

 

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この記事を書いたスタッフ

塗装屋ぬりべえ 編集部
塗装屋ぬりべえ 編集部
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あらゆる家づくりと住まいのプロフェッショナルとして、地元千葉と茨城との地域密着や社会貢献にもつながっていく企業として、お客様の幸せを礎に、200年企業を目指してまいります。
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