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冬こそサイディングの「継ぎ目」をチェック!コーキングの硬化が雨漏りを招く

最終更新日時 : 2026.02.19

冬こそサイディングの「継ぎ目」をチェック!コーキングの硬化が雨漏りを招く

冬こそサイディングの「継ぎ目」をチェック!コーキングの硬化が雨漏りを招く

日本の住宅の約8割を占めるサイディング外壁。

その寿命を左右するのは、実は板そのものよりも「継ぎ目(コーキング)」であることをご存知でしょうか。

特に冬は、気温の低下と乾燥によってコーキング材が硬くなり、隙間や破断が生じやすい、家にとって最も過酷な季節です。

今回は、冬にこそ確認すべき継ぎ目のセルフチェック法と、致命的な雨漏りを防ぐためのメンテナンス戦略を徹底解説します。


この記事はこんな方におすすめ!
・サイディング外壁の継ぎ目にヒビや隙間を見つけた方
・冬の間に雨漏りや壁内部の腐食を未然に防ぎたい方

1 冬は「縮む」季節!コーキングが物理的な限界を迎える理由

サイディングボードは、気温の変化に伴って膨張と収縮を繰り返す素材です。

夏場は熱を持って膨らみ、冬場は冷え込んで縮みます。このボード同士の動きを吸収し、建物の気密・防水性を保っているのが継ぎ目に充填されたコーキング(シーリング)材です。コーキングには本来、ゴムのような柔軟性がありますが、新築から5〜7年も経過すると、紫外線や寒暖差の影響で徐々に可塑剤(弾力を持たせる成分)が抜け、硬化していきます。

特に冬場は、サイディングボードが最も収縮し、継ぎ目の幅が最大に広がります。柔軟性を失いカチカチに硬くなったコーキングは、この「引っ張られる力」に耐えきれず、真ん中から裂ける「破断」や、ボードの端から剥がれる「剥離」を引き起こします。

これが冬にコーキングのトラブルが急増する物理的なメカニズムです。縮もうとする外壁と、伸びなくなったコーキング。この不一致が、家を雨漏りの危機へとさらすのです。

  • 気温低下でボードが収縮し、継ぎ目が最大に広がるため、劣化したコーキングに最大の負荷がかかる。
  • 隙間から入った水分が夜間に凍結して膨張し、サイディングの端部を物理的に破壊する「凍害」を招く。
  • 一度弾力性が失われたコーキングは、春になっても自然に気密性を回復することはない。

2 今すぐセルフチェック!見逃してはいけない劣化の4つのサイン

冬の晴れた日に、外壁を一周回って継ぎ目をじっくり観察してみてください。まず確認すべきは「ひび割れ」です。表面に髪の毛ほどの細かい筋が入っている段階ならまだしも、奥の隙間が見えるような深い割れは即対応が必要です。

次に、コーキングの「痩せ」です。充填された当初はふっくらとしていたコーキングが、劣化とともに凹んでしまい、サイディングとの間に段差ができている状態です。

さらに危険なのは、コーキングの奥にある「ボンドブレーカー」という青や銀のテープが見えてしまっている状態です。これは防水機能が完全に消失していることを示しており、雨水が直接壁の内部(透湿防水シート側)へ浸入しています。

最後に、指で軽く押してみてください。弾力がなく「プラスチックの棒」のように硬く感じるなら、それは寿命を過ぎている証拠です。これらのサインは、建物内部への浸水が始まる直前の「SOS」であり、放置すれば柱や土台の腐朽、白アリ被害へと発展します。

  • 0.3mm以上の隙間や剥がれがある場合、毛細管現象で雨水が壁内部に吸い込まれる。
  • コーキングが「ボロボロと粉を吹いて剥がれ落ちる」のは、成分が分解されきった末期症状。
  • 北側の壁は日光が当たらないため湿気が抜けにくく、劣化した継ぎ目からカビやコケが繁殖しやすい。

3 高耐久材への「打ち替え」が最強の防衛策

劣化したコーキングへの対策として「増し打ち(上から塗り重ねる)」という方法もありますが、サイディングにおいては古いコーキングを全て撤去して新しいものを詰める「打ち替え」が基本であり、最も確実なメンテナンスです。

ここで重要なのが、材料のグレードです。一般的なコーキング材の寿命は5〜10年ですが、最新の「高耐久・超寿命型シーリング材(オートンイクシードなど)」は、20年〜30年という驚異的な耐用年数を誇ります。

高耐久材は、冬の極低温下でも柔軟性を失わず、ボードの動きに追従し続ける特殊な成分で構成されています。外壁塗装工事を行う際、多くの施主様は塗料の価格に注目しますが、実は「コーキングをどの材料にするか」の方が、後の雨漏りリスクやトータルコストに大きな影響を与えます。

塗料が20年もつのに、コーキングが10年で割れてしまえば、結局10年後にまた高額な足場を組んで修理しなければなりません。「塗料とコーキングの寿命を合わせる」ことが、プロが推奨する賢いメンテナンス計画です。

  • 高耐久コーキング材は、冬の激しい寒暖差でも破断しにくい「驚異的な伸縮性」を長期間維持する。
  • 塗装の下に隠れる部分だからこそ、最上級の材料を使うことが将来的な足場費用(15〜25万円)の節約になる。
  • 冬の施工でも、適切なプライマー(下塗り材)処理を行う業者なら、材料の密着性は十分に確保できる。

4 施工品質を左右する「3面接着」と「2面接着」の知識

コーキングを長持ちさせるには、材料だけでなく「工法」にも深い知識が必要です。サイディングの継ぎ目には、あえて底面に接着させない「2面接着」という技法が用いられます。

これは、左右のボードだけに接着させることで、ボードが動いた際にコーキングが自由に伸び縮みできるようにするためです。もし底面までくっついてしまう(3面接着)と、遊びがなくなるため、少しの動きでもコーキングが千切れてしまいます。

冬場に硬化したコーキングが割れやすいのは、過去の施工でこの2面接着が正しく行われていなかったケースも多々あります。優良な業者は、打ち替え時に「ボンドブレーカー」を正しく配置し、2面接着を徹底します。

外壁塗装を検討する際は、見積書の「シーリング工事」という項目に、古い材の撤去費用が含まれているか、どのような工法で、どのような材料(商品名)を使うのかを具体的に確認してください。ここでの確認が、10年後の家の健康状態を決定づけます。

  • 2面接着を徹底することで、冬の最大収縮時でもコーキングが「太鼓の膜」のようにしなやかに伸びる。
  • 古いコーキングの撤去不足は、新旧の材料が馴染まずに早期剥離を起こす原因となる。
  • 「打ち増し」はサッシ周りなど構造的に撤去できない場所を除き、サイディングの目地には不向き。

まとめ

サイディング外壁にとって、冬のコーキング劣化は家を根本から蝕む「静かなる時限爆弾」です。

継ぎ目の隙間から忍び込む水分は、単に壁を汚すだけでなく、家の骨組みである木材を腐らせ、家の資産価値を大きく損ないます。本格的な冬の乾燥と低温が続く今こそ、一度ご自身で壁の継ぎ目の「硬さ」と「隙間」をチェックしてみてください。

小さな違和感を見逃さず、適切なタイミングで高耐久なメンテナンスを行うことが、数百万単位の大規模修繕を防ぐ、最も確実で安上がりな方法です。

この記事を書いたスタッフ

塗装屋ぬりべえ 編集部
塗装屋ぬりべえ 編集部
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・二級建築士
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