家の外壁には塗装をしなければならないことは知っていても、「基礎に塗装が必要なのか?」と疑問を持たれる方も多いかもしれません。家の重みを全て支えてくれている基礎ですが、塗装する必要があるのでしょうか?また基礎を塗装するメリットとデメリットについてもご紹介します。
◼ 住宅の基礎とは
家の重みを支えてくれる基礎には、大きく分けて3つの種類があります。ベタ基礎と布基礎、独立基礎、まずはそれぞれの特徴をご紹介します。
・ベタ基礎
ベタ基礎とは、家の底面全体に鉄筋コンクリートを流し込んだ基礎のこと。近年の住宅ではほとんどがベタ基礎を使用しています。大きな面で家を支えることになるので、重みを分散できて耐震性が高いのがベタ基礎の特徴。
また地盤からの湿気を建物に伝えづらく、シロアリ被害を防ぎやすいといったメリットもあります。その一方で他の基礎と比べてコンクリートや鉄筋の使用量が増えるため費用が高くなってしまうのがデメリット。
・布基礎
布基礎は、地面にT字を逆にしたような形でコンクリートを打ち込む方法。基礎に布を使用しているのではなく、布基礎が長い布の繊維に見えることから名前がつけられたと言われています。面で支えるベタ基礎に対して、布基礎は点で支えるイメージ。ベタ基礎の方が主流ですが、地盤がしっかりしている土地や地盤改良が行われた土地では布基礎が採用されることもあります。
ベタ基礎よりも鉄筋コンクリートを使用する量が少ないため、費用を抑えられることがメリット。逆T字に立ち上がっている部分にのみ鉄筋コンクリートが入っているので、ベタ基礎よりも耐震性は劣ってしまいます。湿気がこもりやすくシロアリが侵入しやすいといったデメリットもあるので予算とのバランスを考えて選ぶ必要があります。
・独立基礎
独立基礎とは、柱の下に独立して設けられた基礎のこと。重みがあまりかからない柱や地盤が強固である場合に使われる方法で、一般的な住宅では傾斜地に家を建てる場合や庭に設置する物置、デッキの基礎などで使われることがあります。
◼ 基礎に塗装は必要?
家の下には基礎があることは誰もが知っていると思いますが、そもそもなぜ基礎は必要なのでしょうか。基礎は家の重みを支えることや、地盤と建物をつなぐことが主な役割であり、地面からの湿気を伝えないようにする役割、家の重みや、地震による揺れや台風などによる強風などの外から加えられる力をバランス良く地盤に伝える役割も担っています。
さまざまな役割のある基礎ですが、塗装することは必要なのでしょうか?日本の住宅では基礎にコンクリートやセメント、モルタルが使われるのが一般的ですが、それらの素材は基本的に防水性がありません。むしろ吸水性が高いため、塗装をすることで防水性を高める必要があります。防水性を高めることでカビやコケの発生を抑えることもできるので、美観の維持にも繋がります。
◼ 基礎を塗装しなかったらどうなる?
基礎を塗装しなかった場合、どのようなことが起こってしまうのでしょうか。家全体の問題になる前に、早めの塗装を推奨しています。
・水分を吸収してしまう
基礎に使われるコンクリートやセメント、モルタルには防水性がないことを先ほどご紹介しましたが、防水性のない素材をそのまま雨ざらしにすると水分をそのまま吸収してしまいます。
・ひび割れが起こる
基礎が水分を吸収して含んだまま気温が変化すると、乾燥や収縮を繰り返すことになります。そうするとひび割れにつながってしまうこともあるため注意が必要です。ひび割れからさらに水が入り込むと、中の鉄筋が腐食したり基礎の耐久性が低下したりと大変なことになってしまうことも。
・コンクリートが中性化する
コンクリートはアルカリ性であり、空気中の二酸化炭素や炭酸ガスによって中性化してしまいます。コンクリートが中性化すると中の鉄筋を腐食させ、ひび割れを促進したり剥離したりといった劣化につながってしまうことも。中性化が必ず何かしらの問題を引き起こすというわけではありませんが、塗装して問題を未然に防ぐことをおすすめします。
◼ 基礎の塗装におけるポイント
基礎は塗装することで防水性を高めることができますが、絶対に必要というわけではありません。基礎がおすすめのケースや劣化しやすいポイントなどをご紹介します。
・美観を維持したい場合は塗装がおすすめ
基礎はコンクリートやセメントが見えている状態なので、外壁や屋根だけではなく、足元にある基礎まで美しく保ちたい場合は塗装するのがおすすめです。防水性を高めつつ美観を維持できるので、外壁や屋根の塗装の際に同時に行なってみても良いかもしれません。
・塗膜が劣化しやすい
外壁や屋根を塗装すると塗膜という膜ができますが、基礎への塗装は塗膜が劣化しやすい特徴があります。基礎は外壁や屋根よりも地面に近いため、雨が降ったら地面で跳ね返った雨水が当たったり土埃が付きやすかったりするもの。基礎は劣化しやすい環境にあるため、塗装したとしてもすぐに剥がれたり劣化したりする可能性があることを頭に入れておきましょう。
・基礎に適した塗料がある
外壁や屋根にはそれぞれに適した塗料があるように、基礎にも基礎に適した塗料があります。コンクリートやセメント、モルタルなどに使用できる塗料や、素材の質感を生かせる塗料、中性化を防げる塗料など、種類はさまざま。ひび割れを表面に出さないことで水の侵入を防げるような塗料もあるので、家の基礎の状態に合わせて塗料を選ぶようにしましょう。
◼ まとめ
家の基礎にはベタ基礎と布基礎、独立基礎などの種類があります。それぞれ特徴が異なりますが、そもそも基礎に塗装は必要なのでしょうか。基礎への塗装の必要性やポイントについてご紹介してきました。
塗装屋ぬりべえでは、外壁や屋根の塗装を専門としている会社です。創業120年の歴史と実績をもとに、お客様との信頼関係を築きながらたくさんの塗装を行なってまいりました。千葉県と茨城県で外壁や屋根などの塗装をご検討の際は是非お気軽にご相談ください。
・縦のラインで分けたツートンカラーの外壁塗装事例
こちらの事例は、縦のラインで分けたツートンカラーの外壁塗装事例です。濃い紺色と薄い黄色というどちらも有彩色の組み合わせですが、派手になりすぎることなくきれいにまとまっています。築年数15年ですが一度も塗装を行っていないとのことで、耐久性の高い無機塗料を使用して家を守れるような外壁へと新しくなりました。
・ サイディングが破損していた外壁の塗装
茨城県牛久市の事例。築17年の家で、サイディングが破損していたことと経年劣化が進んでいたことから塗装のご依頼をいただきました。サイディングの補修、ベランダの防水、外壁の塗装を一緒に施工。既存の外壁と同じ見た目にしたいとのご希望通りに仕上げて、お喜びいただけました。
・ベランダをアクセントカラーに
前回の塗装が15年前だったため、色褪せや塗膜の劣化、クラックなどが目立ってきたとのことで塗装のご依頼をいただきました。これまでは一色での塗装でしたが、ベランダの色を変えることでアクセントに。少し暖色系の色味にすることで以前よりも明るい印象になり、ベランダのアクセントカラーが引き締めてくれています。