外壁塗装には見た目を良くするだけではなく、外壁や家を保護する役割もあります。塗り替えを行うべきかどうか悩んでいる人にとっては、知っておきたい知識です。また温暖化が進んでいるため、夏場は毎日エアコンを付けているという人も多いかもしれませんが、使用する塗料によって家の中の温度を快適に保つことができたら嬉しいですよね。そんな断熱塗装の種類やメリットとデメリットをご紹介します。
◼ 外壁における塗料の役割
外壁の塗装は年数が経つごとに劣化していくため、一定の期間が経つと塗り替えを行うことが推奨されています。新築時にも外壁に塗装されていますが、費用を抑えるためにグレードの低い塗料が使われていることもあります。「見た目は気にならないから塗装しなくても良い」と考える人もいるかもしれませんが、外壁塗装は見た目だけがその役割ではありません。なぜ定期的な塗装が必要なのか、その理由をご紹介します。
・外壁材を保護する
外壁塗装の一番の役割は、外壁材や家を保護することです。生活する人を雨や風、雪、紫外線などから守ってくれるのが家の役割ですが、外壁材は外部と面する部分。外壁材を守るため、また外壁材が持つ機能を発揮させるために塗装を行います。外壁がダメージを受けると自然に回復するということはありません。そのため塗装を行ってメンテナンスすることが大切です。
外壁を塗り替えないまま年数が経つと、塗装の機能が衰えるだけではなく、雨漏りやひび割れが起こってしまいます。どちらもすぐに補修が必要かどうかは状態にもよりますが、雨漏りやひび割れを放置すると家の構造部分まで腐食してしまうことも。そうなると塗り替えだけではなく、大規模なリフォームが必要となる場合もあるため注意が必要です。耐久年数を目安として定期的に塗装を行い、色はもちろん機能面も考慮して塗料を選ぶようにしましょう。
・外観を美しくする
外壁材に塗装をするかどうかによって、外壁の印象がガラリと変わります。色褪せていたり汚れが付いたりしている外壁よりも、きれいに塗装されている外観の方が清潔感がありますよね。業者に依頼する塗装はもちろん、汚れを見つけたら洗い流すなどこまめに自分でもお手入れをすることで外壁が長持ちします。耐久性を維持するためにもメンテナンスを行って、きれいな外壁を保つようにしましょう。
せっかく塗り替えるのであれば、同じような色にするのではなく違う色も試してみたいと思う人もいるかもしれません。外観の維持だけではなく、定期的な塗り替えのタイミングで色を変えてイメージチェンジすることもできます。好きな色を選んだりツートンカラーにしてみたりと、面倒に思いがちな塗り替えを楽しんでみるのも良いでしょう。
◼ 断熱効果のある塗料
家を保護する機能の一つとして、遮熱効果や断熱効果があげられます。雨風だけではなく、外壁は晴れの日や曇りの日の紫外線もたっぷり受けています。紫外線を受けることでもダメージを受けてしまいますが、しっかり塗装をしておくことで吸収する光を抑えることができます。光を反射できれば家の中に熱がこもりにくく、家の熱が外に出にくい効果も発揮します。そんな効果を発揮する塗料として、断熱塗料と遮熱塗料についてご紹介します。
・遮熱塗料
遮熱塗料は、太陽光の赤外線を反射させて家の中に熱がこもったり温度が上昇したりすることを防ぐ塗料です。家の中の温度上昇だけではなくヒートアイランド現象も防ぐことができ、夏の気温が高い地域におすすめの塗料です。
トタンやガルバリウムのような金属製の屋根・外壁を使用している場合、熱くなりやすいため遮熱塗料による効果が出やすくなります。夏に快適に過ごせる効果がありながら、シリコン塗料と同じくらい安価であるのも遮熱塗料の魅力です。耐用年数は10~15年が目安となっています。
・断熱塗料
赤外線を反射する遮熱塗料に対して、太陽光による熱を塗膜の中に溜め込むことができるのが断熱塗料です。塗膜で熱を溜め込むため、家の中にまで熱が伝わりにくくすることができる仕組みです。遮熱塗料との大きな違いとして、断熱塗料には冬の寒い時期に保温効果があるという点があげられます。外部の熱が伝わりにくいように、家の中の熱も逃げにくいのが断熱塗料のメリットです。
また塗膜に溜め込んだ熱を夜に放出するため、ヒートアイランド現象の対策にはならないという違いもあります。遮熱塗料と同じように金属製の屋根や外壁の場合に効果が出やすく、夏だけではなく冬の保温効果がほしい場合におすすめの塗料です。遮熱塗料よりも費用は高くなってしまいますが、耐用年数は15~20年と長くなっています。
◼ 断熱塗装のメリット
太陽光による赤外線を反射したり、熱を塗膜に溜め込んだりして、家の中の温度を快適に保つことができる断熱塗装。見た目はもちろん塗装によって機能面を充実させたいと思っている人も多いことでしょう。そこで断熱塗装のメリットをご紹介します。
・夏や冬に家の中が快適になる
遮熱塗料や断熱塗料を使って外壁を塗装することのメリットとして、夏に家の中の温度が上昇しないことがあげられます。遮熱塗料の場合は夏に太陽光を反射する役割だけですが、断熱塗料は冬にも保温効果があります。
夏に太陽光の影響を防ぐことができれば、家の中の温度が2~3度違うといわれています。2~3度と聞いてもそこまで差がないように感じられるかもしれませんが、家の中での体感は大きく異なります。家に入ったときに夏はむわっとした暑さを感じたり、冬はひんやりした冷たさを感じたりすることがありますが、断熱塗装を行うことでそれらを防げるだけでも嬉しいですよね。
・光熱費を削減できる
夏は涼しく、冬は暖かく過ごせる家であれば、冷暖房稼働を最小限に抑えることができます。冷暖房を使わずに過ごせる時間が長くなれば光熱費を削減できるというのが断熱塗装を行うメリットの二つ目です。また電力不足の解消やCO2の削減にもつながるのも嬉しいポイントです。
◼ 断熱塗装のデメリット
断熱塗装を行うと夏や冬に家の中の温度を快適に保てることや、それによって光熱費を抑えられることなどのメリットがあります。塗料選びの際には遮熱塗料や断熱塗料を使うのが一番良いのでは?と思う人もいるかもしれませんが、デメリットもあるため塗料選びの参考にしてみてください。
・色の種類が限られる
外壁を遮熱塗料や断熱塗料で塗装する場合、色によって効果が異なる場合があります。遮熱塗料は太陽光を反射する役割があるため、白やアイボリーなどの色では効果が高く、グレーや茶色、黒などでは反射率が低くなります。もともとの色が白やアイボリーだった場合は違いが分かりにくいかもしれませんが、茶色や黒などの濃い色から遮熱塗料に塗り替えた場合は効果を感じやすいことでしょう。
またそもそも遮熱塗料や断熱塗料には色の種類が少ない傾向があります。色の選択肢が少ないため、見た目にこだわりたい人にとってはデメリットとなるかもしれません。
・塗膜の劣化によって効果が低くなる
塗膜が劣化すると太陽光による赤外線を反射しにくくなったり、塗膜に熱を溜め込んだりする機能が衰えてしまいます。断熱塗装に限ったことではありませんが、塗膜が劣化すると効果が低くなってしまうため、定期的なメンテナンスが大切です。親水性のない遮熱塗料を使用している場合、塗膜を洗浄することで効果を保つことができます。
・ひび割れしやすい
遮熱塗料や断熱塗料は、他の塗料と比べてひび割れしやすいデメリットがあります。ひび割れが起こると割れた部分から雨水が入ってしまい、構造部分まで腐食してしまう可能性もあります。ひび割れには幅や深さによって種類が異なりますが、見つけたときは業者に点検を依頼するようにしましょう。
◼ まとめ
外壁塗装には、家や外壁材を保護する役割と外観をきれいに見せる役割があります。雨風や紫外線を受け続けている外壁のダメージは自然に回復するわけではないため、定期的に塗装を行うことが大切です。また年数が経つと色褪せや汚れの付着が目立つこともあるため、外観をきれいに維持するためにも塗装を行う必要があります。
外壁塗装に使用する塗料にはさまざまな種類がありますが、遮熱塗料や断熱塗料には家の中の温度を快適に保つ効果があります。遮熱塗料は太陽光の赤外線を反射するため夏に家の中の温度が上がりすぎるのを防いでくれます。断熱塗料は熱を塗膜に閉じ込めるため、家の中まで温度が伝わりにくいという性質があり、冬にも保温効果があるのが特徴です。
断熱塗装を行うと夏や冬に家の中で快適に過ごせることや、冷暖房の稼働を最小限に抑えられるのがメリット。電力不足の解消やCO2削減の貢献にもつながります。その一方で塗膜が劣化すると効果が低くなってしまうことやひび割れが起こりやすいのがデメリットです。使用できる色の種類も限られ、効果が出やすい色と出にくい色があるため、見た目にこだわりたい人にとってはデメリットとなるかもしれません。
塗装屋ぬりべえは創業120年のリフォーム会社、ハウジング重兵衛が手がける外壁塗装部門です。経験と実績をもとに、千葉県と茨城県で外壁塗装事業を展開しています。千葉県に1店舗、茨城県に3店舗のショールームを展開しており、遮熱塗料も取り扱っています。その他にもシリコン塗料やラジカル塗料、フッ素塗料、無機塗料を扱っているため、ショールームにお越しの際はお気軽にご相談ください。
・フッ素塗料を使用した耐久性の高い塗装
色褪せやシーリングの劣化があったため、耐久性の高いフッ素塗料を使用して塗装しました。汚れが付きやすい面を濃い色、それ以外を薄い色のツートンカラーにすることで、機能面だけではなく見た目もおしゃれに仕上がりました。