陸屋根とは、屋根の傾斜がなく屋上が平らになっている形状の屋根のことをいいます。陸屋根は鉄筋コンクリート造の家や降雪地域などで選ばれることが多かったですが、最近人気のキューブ型の家などで選ばれることも。
傾斜がないことから水が溜まりやすいデメリットがある陸屋根において、防水工事の重要性やタイミングについてご紹介します。
◼ 陸屋根とは
陸屋根とは傾斜がない屋根のことをいい、平屋根と呼ぶこともあります。屋根の面が平らになっているため、屋上を作ったり上を歩いたり、庭園や洗濯物干し場として利用したりすることができます。雪が落ちてくる心配がないため降雪地域で選ばれることの多い陸屋根ですが、最近は人気のキューブ型の家などでも採用されています。
屋上のスペースを有効に活用できるというメリットを活かすために、狭小地で選ばれることも。屋根の上が平らになっているため足場を設ける必要がないためメンテナンスや点検を手軽にできるのもメリットの一つ。
◼ 陸屋根はなぜ防水の必要があるのか
陸屋根は防水が必要だと耳にしたことがある方も多いかもしれませんが、なぜ防水する必要があるのでしょうか。通常の屋根は傾斜があるため雨水が流れていきますが、陸屋根では傾斜がないため水が溜まりやすくなってしまいます。
水捌けが悪くなったり防水性が低くなったりすると雨漏りにつながってしまうことも。そういったことのないように陸屋根を選ぶ場合にはしっかり防水する必要があります。
・ベランダも防水工事が必要
またベランダも陸屋根と同じように傾斜がない状態になっているため、防水工事が必要な箇所の一つ。雨水が溜まってしまうと下の階に雨漏りが発生することもあるため、定期的な点検や防水工事を行うようにしましょう。
◼ 防水工事のタイミング
陸屋根は傾斜がなく水が溜まりやすいことから防水工事が必要だといえます。どのようなタイミングで防水工事を行うと良いのでしょうか。
・定期的に点検しよう
陸屋根は屋上に登れるようになっていることが多いため、目視で確認できる場合は定期的に劣化の症状が見られないか自分で確認するようにしましょう。症状を確認できない場合は、前回の防水工事から5〜10年を目安にして業者に点検を依頼するのがおすすめ。
雨漏りが発生してからでは手遅れになることもあるため、できるだけ早めにメンテナンスを行うようにしましょう。
・メンテナンスを検討する目安
陸屋根に雑草が生えていたり、目地やコンクリートに浅いひび割れが起こっていたり、排水溝周りにゴミが溜まっていたりすると防水効果が落ちてきているサイン。まずは排水溝周りのゴミを取り除き、雨水が流れるかどうかを確認してみましょう。
これらの症状は必ずしもすぐに防水工事が必要というわけではありませんが、早めに点検を依頼して手遅れにならないように対応するようにしましょう。
・すぐに防水工事が必要な症状
室内まで雨漏りが起こっていたり、前回の防水工事から10年以上が経過していたり、防水層が膨れていたり、剥がれや壊れがみられる場合はすぐに防水工事を行う必要があります。
雨漏りが起こっている場合は、屋根だけではなく構造部分まで劣化している可能性があるため特に注意が必要です。雨漏り以外の症状が起こっている場合も、防水効果が低くなっている可能性が高いためいつ雨漏りにつながってもおかしくありません。できるだけ早めに防水工事を依頼するようにしましょう。
◼ 陸屋根の防水工事の種類
陸屋根の防水工事は、大きく分けて塗膜防水と防水シート、アスファルト防水の3種類あります。それぞれの特徴をご紹介します。
・塗膜防水
塗膜防水は、陸屋根に防水材料を塗って塗膜を作る方法。塗膜防水はウレタン防水工事とFRP防水工事の2種類に分けられます。ウレタン防水工事はウレタンを何回も塗ることで防水層を形成して雨水の侵入を防ぎます。耐久年数は10年前後ですが、重ね塗りできるため何度も繰り返し行うことができます。
FRP防水工事は、強度の高いガラス繊維強化プラスチック(FRP)をしようして防水層を形成する方法。強度が高いことから木造住宅のベランダなどにも使用されることが多い方法で、屋根を活用している方に特におすすめ。紫外線が長い間当たり続けると劣化してしまうため、定期的にトップコートを塗り替える必要があります。
・防水シート
防水シートは塩化ビニールシートとゴムシートの2種類があり、シートを下地に貼り付けるだけという手軽さが特徴です。塩化ビニールしーとは色や柄などデザイン性にも種類があり、紫外線や熱に対する耐久性も持っているため基本的にはメンテナンスの必要がありません。
ゴムシートはシート状に成形した素材を施工するもので、部分的な補修で使われるのが一般的です。施工期間が短くコストも抑えられることから、応急処置として使われることが多いです。
・アスファルト防水
アスファルト防水は、合成繊維不織布にアスファルトを含ませたシートを貼っていく方法。歴史が長いため信頼性が高く、新築時の防水工事ではアスファルト防水が選ばれることがほとんど。屋根の上を歩くためには保護モルタルを貼らなければならないため屋根が重くなってしまいます。木造住宅には不向きだというのがアスファルト防水のデメリット。
◼ 防水効果を長持ちさせるために
防水工事の種類についてご紹介しましたが、頻繁に工事をしていては費用ばかりがかかってしまいます。そこで防水効果を長持ちさせるためのポイントをご紹介します。
・排水溝をこまめに清掃
陸屋根では雨水は排水溝の方に流れるようになっています。そのため排水溝にゴミが詰まっていると雨水が流れず溜まってしまうことに。陸屋根に水溜まりができるとそこから劣化が進んでいってしまうため、排水溝はこまめに清掃するようにしましょう。
・トップコートを施工
防水工事を行なった後、上からトップコートを施工することで紫外線から防水層を守ることができます。トップコートが剥がれると劣化が進むため、5年おきを目安にトップコートを施工するようにしましょう。
◼ 防水工事の施工事例
陸屋根だけに限らずベランダにも防水工事を行うことがあります。そこで塗装屋ぬりべえで施工した防水工事の事例をご紹介します。
・FRP防水加工を施したベランダ防水
台風で吹き込みがあったことからベランダと屋根が心配だということでご依頼をいただきました。まずはエアコンの室外機を外してベランダを洗浄し、防水工事を行いました。FRP防水による施工を行いましたので、定期的にトップコートを塗り直すことで高い耐久性を実現することができます。
◼ まとめ
陸屋根は傾斜のない屋根のことをいいます。近年キューブ型の家などで人気が高まっていますが、傾斜がないことから雨水が溜まってしまいやすいというデメリットも。雨漏りが起こらないためにも陸屋根では防水工事が必要です。
防水工事にも塗膜防水や防水シート、アスファルト防水などさまざまな種類があるため、屋根の状態が使い道などによって防水工事の種類を選ぶようにしましょう。
塗装屋ぬりべえでは実際にベランダの防水工事を行なっている実績があります。陸屋根の防水工事はもちろん、外壁や屋根の塗装と同じタイミングで、ベランダ防水の施工も行なってみてはいかがでしょうか。千葉県と茨城県で外壁や屋根の塗装、防水工事をご検討の際はぜひお気軽にご相談ください。