家の建設や外壁の塗り替えを検討している人にとって、一度は聞いたことがあるであろう「ガルバリウム」。外観を気に入って選ぶ人が多いですが、そもそもガルバリウムとはどのような外壁のことをいうのでしょうか。メリットやデメリット、メンテナンスについてなど基本的な知識をご紹介します。
◼ ガルバリウムとは
ガルバリウムとはアメリカの会社が開発した鋼板であり、日本では1982年から販売されています。鉄の板を合金してメッキ加工をした外壁材であり、アルミニウム55%、亜鉛43.4%、ケイ素1.6%の割合で施されたメッキ加工がガルバリウム鋼板の特徴です。アルミニウムは耐食性、亜鉛は防食性、ケイ素は耐熱性に優れているため、亜鉛だけでメッキ加工されているトタンよりも耐久性のある外壁材となっています。金属は錆びやすいイメージがありますが、特殊なメッキ加工のおかげで錆びにくい性質を持つことができます。
ガルバリウム鋼板の特徴は何といってもそのスタイリッシュな外観です。ガルバリウム鋼板の場合、外壁の色に黒を選ぶ人が多いですが、白やシルバー、青などさまざまな色の中から選ぶことができます。家の外壁を決める際には、どのような家にしたいのかテイストを考えると思いますが、「かっこいい」「モダン」「おしゃれ」な印象の家にしたい人におすすめの外壁材です。
◼ ガルバリウムのメリット
鉄の板にメッキ加工した外壁材であるガルバリウム鋼板は、おしゃれな外観が最大の魅力です。しかし他にもガルバリウム鋼板を外壁に採用するメリットはたくさんあります。自分の求める外壁の条件と一致するかどうかを見極める参考にしてみてください。
・耐久性が高い
外壁材は約10年でメンテナンスが必要になることが多いですが、ガルバリウム鋼板は耐用年数約20年という耐久性の高さを誇ります。家を建てるときの費用は少し高くなってしまうかもしれませんが、メンテナンスまで含めた総額で考えるとコストパフォーマンスも良い外壁材だといえます。
また耐熱性に優れたケイ素をメッキ加工で配合していることから、約350度まで耐えられる特徴も持っています。そのため熱で外壁が劣化することがなく、熱の反射率も高いため家の中に熱がこもることもありません。
・軽量
鉄は塊になると重さがありますが、薄い板でできているガルバリウム鋼板はその軽さも特徴です。軽量であるということは家の構造や建材への負担が少なくて済みます。家への負担が少ないことから地震にも強い特徴を持ち合わせています。外壁だけではなく屋根にもガルバリウム鋼板を使用することで家の重心が下がり、耐震性が高まります。
また外壁のメンテナンスの際、塗装だけではなくカバー工法という方法を取ることもできます。既存の外壁材はそのままにして、上から新しい外壁材をかぶせることをいいますが、ガルバリウム鋼板は軽量であることからカバー工法にも適しています。
・デザイン性
ガルバリウム鋼板の最大の魅力はそのデザイン性の高さです。機能面はもちろんのこと、外観が気に入って外壁材に選んだ、選ぼうと思っているという人も多いことでしょう。金属系サイディングと似たような印象があるかもしれませんが、サイディングのようにつなぎ目がないためすっきりした見た目に仕上がります。
スタイリッシュな印象にしたい場合は黒が選ばれることが多く、白と組み合わせて高級感を出すこともできます。グレーや茶色系を選ぶと汚れが目立ちにくく、まわりの家との調和も取りやすいのがメリット。金属の外壁材ならではの魅力を出すために、シルバーを選んでおしゃれ感を出すこともできます。
◼ ガルバリウムのデメリット
ガルバリウムの外壁は「メンテナンスの必要がない」「塗り替えなくても大丈夫」といったことを聞いたことがある人もいるかもしれません。ガルバリウム鋼板はメリットがたくさんある印象を受けるかもしれませんが、デメリットがない外壁はありません。デメリットもしっかり頭に入れた上で外壁材選びやメンテナンスを行うようにしましょう。
・傷が付きやすい
金属には弾力性がないため、衝撃を受けるとすぐに傷が付いてしまいます。飛来物が当たってしまったり雹などが降ったりした場合にはへこんでしまうことも。錆びにくい素材ではありますが、メッキ加工が剥がれたりへこんだりしたところから錆びてしまう場合もあるため注意が必要です。
お子様やペットがいるご家庭、車や自転車などを出し入れする際には傷がつかないように気を付けるようにしましょう。
・断熱効果が低い
ガルバリウム鋼板は薄い金属でできており軽量であるのがメリットですが、その薄さから断熱性が低いというデメリットもあります。熱伝導率が高いため、太陽熱が伝わりやすく家の中の温度が上がりやすいという特徴も。ガルバリウム鋼板を採用する場合は、断熱材を使うか断熱塗料で塗装するなどの対策を行うようにしましょう。
・費用がかかる
ガルバリウム鋼板の外壁材を使用する場合、実際に施工するのが塗装業者などであったとしても、板金工事を行うような業者が営業を行っていることが多いという特徴があります。そのため費用に仲介手数料が上乗せされていることも多く、初期費用が高いのがデメリット。
ガルバリウム鋼板はメンテナンスの必要がないわけではなく、適切にメンテナンスを行うことで優れた耐久性を発揮する外壁材です。金属でできているため傷ができやすく、金属以外の素材と比べると錆びてしまう可能性もあります。定期的なメンテナンスにも費用がかかることを頭に入れておく必要があります。
◼ ガルバリウムのメンテナンス
ガルバリウム鋼板にメンテナンスが必要ないといった話を聞いたことがある人も多いかもしれませんが、メンテナンスの必要がない外壁材はありません。定期的にメンテナンスを行うことで、耐久性を維持したままきれいな見た目を保つことができます。ガルバリウム鋼板を外壁材として使用している場合、どのようなメンテナンスが必要なのでしょうか。
・時期と費用
ガルバリウム鋼板は耐久性が高いため、大規模なメンテナンスは20年ほど必要がありません。外壁全体を塗装する場合、50~100万円が相場となっています。錆びが広がったり外壁材が浮いてしまったりすると、張り替えが必要になってしまいます。張り替えの場合は1㎡あたり5000~7000円の費用がかかってしまうため、そのようなことのないよう細かいメンテナンスや点検はしっかり行うようにしましょう。
・補修方法
何かしらの衝撃を受けることで傷が付いてしまった場合、同じ色の塗料を選んで上から塗ってもらう方法を取ります。費用を抑えるために自分で行うと、似ている色であっても浮いてしまうため、色選びや調合が得意な業者を選んで補修をしてもらうようにしましょう。
また雨や排気ガスなどによる汚れを落とすために、年に一度か二度は水洗いを行うようにしましょう。高圧洗浄機を使うと傷が付いてしまうこともあるため、高圧洗浄機を使うのは避けてホースやシャワーなどで水洗いすることをおすすめします。
傷がつきやすい素材なので、傷が付いていないかどうかのチェックを行った上で、5年ごとに点検を依頼しましょう。耐久性が高い外壁材ですが、年数が経つことで色褪せてしまうことはあります。色褪せてしまった場合は塗装が必要になります。
・ガルバリウムも塗装が必要
ガルバリウムの外壁を塗装するタイミングは15~20年が目安となっています。「耐久性があるから20年は大丈夫」と思うのではなく、水洗いを行う際に劣化の症状がないかどうかのチェックが大切です。色褪せや錆び、傷、チョーキングなどの劣化症状が見られた場合は、点検に来てもらった上ですぐに塗装が必要かどうかを業者に判断してもらうようにしましょう。
ガルバリウム鋼板にはメッキ加工によって汚れがつきにくいようになっていますが、塗装を難しくする原因にもなります。ツルツルしている表面をザラザラにするための目荒らしという作業が必要になりますが、高度な技術を要するため業者によって質に差が出てしまうことも。見積書に工事内容が組み込まれているかどうかの確認を行うようにしましょう。
◼ まとめ
鉄の板にアルミニウムや亜鉛、ケイ素を配合したメッキ加工を施した素材のことをガルバリウム鋼板といいます。デザイン性の高さやおしゃれな見た目から人気の高い外壁材です。見た目だけではなく耐久性の高さや軽さなど機能面でもメリットがたくさんあります。他の外壁材の耐用年数が10年程度であるのに対し、ガルバリウム鋼板は20年程度は大規模なメンテナンスの必要がありません。
その一方で傷が付きやすかったり断熱性が低かったりというデメリットもあります。金属でありながら錆びにくい特徴がありますが、傷が付いてしまうとそこから錆びてしまう場合もあるため定期的にチェックするようにしましょう。こまめに水洗いするなどのメンテナンスを行うことで耐久性を維持することができます。
創業120年のハウジング重兵衛が手がける塗装部門である「塗装屋ぬりべえ」。経験と実績を生かし、お客様との信頼関係を大切にしながら塗装を行っています。千葉県に1店舗、茨城県に3店舗のショールームを展開しており、それぞれのショールームでカラーサンプルやカラーシミュレーションを見て体験することができます。
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