外壁に劣化の症状がみられたり塗り替えの目安となる時期になったりすると、塗装の依頼を検討し始めることでしょう。せっかく塗り替えをするのであれば「色を変えてみたい」「おしゃれな外壁にしたい」と思う人も多いかもしれません。色選びはもちろん、おしゃれな外壁にするためのポイントを知っておくと、業者との打ち合わせもスムーズに進むことでしょう。失敗するパターンもご紹介するので、後悔することのないよう参考にしてみてくださいね。
◼ 外壁の人気の色
外壁に注目して街を見渡してみると、さまざまな色や柄の外壁があることが分かります。見た目の印象だけではなく、汚れの目立ちやすさや熱のこもり具合など、機能面でも違いがあります。外壁の色として人気の色を5色ご紹介します。
・ベージュ系
ベージュ系は外壁の中で一番人気の色となっています。落ち着いた色味なので主張しすぎることなく選びやすいのがその理由です。外壁の色を選ぶ際はまわりの家との調和も大切ですが、ベージュ系を選ぶとまわりから浮くことはありません。
薄い色味を選ぶと優しい印象、濃いめの色味を選ぶとかわいらしい印象になります。外壁全体をベージュ一色で塗装すると、のっぺりした印象になってしまう可能性があります。そのため付帯部分を黒や茶色など濃い色をアクセントに使うことでベージュの魅力が引き立ちます。またグリーンとも相性が良いため、お庭で植物を楽しみたい人にもおすすめの色です。
外壁には埃や土、カビなどの汚れが付いてしまいますが、これらの汚れは中間色であることがほとんどです。ベージュも同じ中間色なので、汚れが目立ちにくいメリットも。汚れが気にならない色を選びたい場合はベージュを選ぶと良いでしょう。
・ホワイト系
ベージュの次に人気なのがホワイト。清潔感や高級感があるので、選んで失敗の少ない色だといえます。ホワイトといっても、アイボリーに近いような温かみのあるホワイトや青みがかった繊細なホワイト、安心感のあるナチュラルなホワイトなど、さまざまな種類があります。どのような印象を与える外観にしたいかによって色の種類を決めると良いでしょう。
付帯部分を黒にすると引き締め効果があり、ビビッドカラーを使うことで鮮やかな印象を出すこともできます。淡い色は膨張色と呼ばれるように、視覚的に大きく見える効果があります。外壁に淡い色を使うことで実際よりも大きく見えるのも淡い色を選ぶメリット。
光の反射率が高いため、暗い色に比べて家の中の温度が上がるのを抑制してくれます。その一方で白は汚れが目立ちやすいというデメリットもあります。定期的に水洗いなどのメンテナンスを行う必要があります。
・ブラウン系
仕事や学校で疲れて帰ってくる家は、落ち着く空間であってほしいものです。外壁にブラウン系を選ぶと、帰り道で家が見えるとホッと安心するかもしれません。ブラウン系の中でも明るくするとかわいらしく、濃いめのブラウンを選ぶと温かみのあるイメージに仕上がります。色味によって印象が変わるため、カラーシミュレーションは入念に行うようにしましょう。
ベージュと同じようにブラウン系も中間色なので、汚れが目立ちにくいメリットもあります。屋根やサッシとも馴染みやすいので、組み合わせで失敗することが少ない色です。
・グレー系
落ち着いた印象の外観にしたい場合はグレーがおすすめです。明度を上げると白に近くなって清潔感のある外観に、明度を下げると黒に近くなって重厚感のある外観に仕上がります。このように明るさでイメージを変えることができるので、さまざまな色との組み合わせを楽しむこともできます。
ベージュやブラウンと同じく中間色なので、汚れが目立ちにくいのも嬉しいポイントです。コケや藻による変色に強いのもグレーを選ぶメリットとなります。まわりの家とも調和しやすい色ではありますが、コンクリートにも使われるように無機質な印象を与えてしまうことも。ぼんやりとした印象にならないように、ツートンカラーやアクセントカラーを採用すると良いかもしれません。
・ブラック系
モダンな印象やシャープな印象にしたい場合はブラックが選ばれることもあります。以前は外壁に使用されることの少ない色でしたが、最近ではおしゃれな外観にしたい人から人気の色となっています。白と組み合わせるとスタイリッシュなイメージ、茶色と組み合わせると高級感のあるイメージになります。
ブラックは太陽の光を吸収しやすいため、家の中の温度が上がってしまいやすいというデメリットがあります。断熱材を使用したり遮熱塗料や断熱塗料で塗装したりと対策を行うことで快適に過ごすことができます。
◼ おしゃれな外壁のポイント
外壁塗装で人気の色が分かりましたが、おしゃれな外観に仕上げるためのポイントをご紹介します。他の家と少し違った素敵な家にしたいという人はぜひ参考にしてみてください。
・ツートンカラー
ツートンカラーとは外壁の色を2種類使い分けて塗装することをいいます。階ごとの色分け、縦に色分け、ベランダの出っ張りだけ色分け、ワンポイントだけ色分けなど、さまざまな方法でツートンカラーにすることができます。階ごとの色分けが一般的ですが、縦に色分けするとスタイリッシュな印象になります。ツートンカラーにしてみたいけど勇気がないという人はワンポイントだけにしてみるのも良いかもしれません。
・アクセントカラー
シンプルな色を基調とした外壁に、少しだけ濃い色を加えることでアクセントカラーになります。例えばホワイトの外壁に赤やネイビーといったビビッドカラーを入れたり、黒で引き締めたりすることができます。
・タイルやレンガ
タイルやレンガを使った外壁は高級感がありますよね。しかし全部をタイルやレンガにすると工期や費用がかかってしまいます。タイル調やレンガ調のサイディングボードを使うと手軽に高級感を演出することができます。全面ではなく外壁の下の方だけをレンガ調にしたり、アクセントとしてタイルを使用したりと、好みのデザインに仕上げることができます。
・雰囲気を統一する
色選びで重要なのが、どのような雰囲気にしたいのかを明確にしておくことです。好きな色をただ選んでいくだけでは外壁とのマッチ具合も分からず、なかなか決めることができなくなってしまいます。
ナチュラルな雰囲気にしたければブラウンをベースにベージュと合わせたりタイル調のボードを使ったりすることで統一感が出ます。スタイリッシュな雰囲気にしたければ白と黒を使って縦に色分けするツートンカラーを採用するのもおすすめです。このように統一感のある雰囲気を決めることで色選びが成功に近づきます。
◼ 色選びで失敗するパターン
外壁の色選びは、家の外観を決める重要な決断です。似たような色がたくさんあるため迷ってしまう人も多いと思いますが、後悔しないような色選びをしたいですよね。そこで色選びの失敗でありがちなパターンをご紹介します。
・想像と違った
よくある失敗として、「想像していた仕上がりと違った」という失敗です。カラーサンプルやカタログを見てじっくり検討したつもりでも、塗装が終わって確認してみると想像と違ったということがよくあるようです。
なぜそのようなことが起こるのかというと、カラーサンプルで見るサイズと、実際の家の外壁のサイズがあまりに違うためです。小さいサイズで見ると良いと思った色でも、家ほどの大きさになると濃すぎる印象になってしまうことがあります。逆に面積が増えるからと思って薄めの色を選ぶと、想像よりも薄くて色褪せているみたいに見えてしまうことも。
カラーサンプルは小さいマスで見ることもあるかもしれませんが、A4以上の大きさで見て決めることをおすすめします。また同じ色や似た色を使用した実際の家を見に行ってみるとより想像しやすいかもしれません。
・機能性が悪い
外壁塗装に使用する塗料には、さまざまな種類があります。それぞれ特徴や強み、価格が異なるため、自分のニーズに合った塗料を選ぶ必要があります。とにかく費用を抑えたい場合は価格の安いもの、家の中の温度が上がるのを防ぎたい場合は遮熱塗料や断熱塗料、塗膜の劣化を防ぎたい場合はラジカル塗料、耐久性の高いものが良い場合は無機塗料、など。
色だけで塗料を選んでしまうと、仕上がったあとで機能面に不満が出てくることもあります。業者としっかり打ち合わせをして機能面も確認した上で塗料を選ぶようにしましょう。
・玄関や屋根の色と合わなかった
外壁の色を決めるときは、外壁のことだけではなく玄関のドアや屋根、サッシなどとのバランスも考える必要があります。外壁の塗装をする際、屋根も一緒に塗装する場合もあれば別で塗装する場合もあると思います。一緒に塗装する場合は屋根との組み合わせもカラーシミュレーションすることができますが、別の場合は屋根の色とのバランスを考えて色を選ぶようにしましょう。
また家の中には塗装することができない箇所もあります。塗装できない部分が浮くことのないように考えると統一感のある外観に仕上げることができます。
・街並みから浮いている
「せっかく外壁を塗装するのであれば」と好きな色にしたものの、仕上がりを見ると街並みから浮いてしまったという失敗例もあります。ある程度色の候補が決まったら、家の近くを歩いてまわりの家の外壁とのバランスを考えてみると良いでしょう。
街並みに調和する外観にしたいのか、外観で個性を出したいから目立たせたいのか、まずは方針を決めてみてください。目立たせたい場合も、程度を考えて色を選ぶ必要があります。市町村によっては景観条例などが定められている場合もあるため、お住まいの条例を確認することも忘れないようにしましょう。
◼ まとめ
外壁はベージュやホワイト、ブラウン、グレー、ブラックなどの色が人気となっており、それぞれ特徴や強みが異なります。見た目も大切ですが、塗料の機能面も確認を忘れずに選ぶようにしましょう。仕上がりを見てから後悔することのないよう、失敗例を参考にして素敵な色選びを実現させてください。