外壁に使われる素材のうち約8割を占めるのがサイディングボード。しかし一言でサイディングボードといっても、4つの種類に分けられます。それぞれの特徴や劣化の症状、補修方法についてご紹介します。自宅の外壁にサイディングボードを使用しているという場合はぜひ参考にしてみてくださいね。
◼ サイディングボードの種類
サイディングボードは窯業系と金属系、木質系、樹脂系の4種類に分けられます。種類によって素材の特徴やデザインが異なるため、外壁材を選んだりリフォームを検討したりしている場合には悩んでしまいますよね。それぞれの特徴を知った上で、自分に合ったものを選んでみてください。
・窯業系サイディング
窯業系サイディングとは、セメントに繊維質を混ぜて高熱で処理する素材のことをいいます。外壁材の中でも使われることの多いサイディングですが、その中でも窯業系サイディングがほとんどの割合を占めています。豊富なデザインの中から選ぶことができることや施工に時間がかからないことから人気の素材となっています。
耐震性や防火性、遮音性が高いのがメリットである一方、防水機能がないのがデメリット。工場を出荷するときに塗装を行うことで防水機能を付けていますが、5~10年ほどで性能が落ちてしまいます。防水機能がないと雨水が侵入したりひび割れ、家自体の劣化を進めたりすることもあるため注意が必要です。
・金属系サイディング
金属系サイディングはアルミや鉄を板状にしたものに断熱材を裏打ちした外壁材のことをいいます。窯業系サイディングの約3分の1の重さしかないため、家への負担がかからないのがメリット。他にも耐震性や耐水性、耐熱性に優れているため、家の中の温度を快適に保ちやすいのも特徴です。
窯業系サイディングほどのバリエーションはありませんが、金属の質感を活かした雰囲気の外観にすることができます。モダン・スタイリッシュといった雰囲気の見た目が好きな方にはおすすめの外壁材です。
・木質系サイディング
木質系サイディングとは、天然の木に塗装した素材のことをいい、表面を炭化処理したものもあります。年数が経っても変化する木の表情を楽しむことができるため、温かみのある木の質感やデザインが好きな方にぴったりの外壁材です。木を使っていることから防火性が低いのがデメリットですが、最近では不燃処理が施された製品も増えてきています。
・樹脂系サイディング
樹脂系サイディングは塩化ビニール樹脂製の外壁材であり、北米などで親しまれています。弾力があることや衝撃に強いだけではなく、破損してしまっても部分的な補修を行うことができるなどメンテナンス性が高いのがメリット。その一方で紫外線のダメージを受けやすく劣化しやすいのがデメリットです。他の素材に比べるとデザインのバリエーションも少ないため、見た目にこだわりたい人にとっては物足りなく感じるかもしれません。
◼ サイディングボードの劣化
サイディングボードで起こり得る劣化症状には何があるのでしょうか。現時点で家の外壁にサイディングボードを使用しているという場合も、これからサイディングボードを外壁材に採用しようと思っている場合も、メンテナンスのタイミングを検討するために劣化症状を知っておくことは大切です。
・チョーキング
外壁を触ったときに、白い粉のようなものが手に付いたことはありませんか?このような症状をチョーキングといいます。チョーキングは紫外線などによって塗膜が劣化することで、塗膜の中の顔料が粉になって表面化することです。自然な劣化現象としてだけではなく、施工不良が原因で起こることもあります。塗料の耐用年数よりも大幅に劣化が早い場合は施工不良を疑っても良いかもしれません。
チョーキングが起こったということは塗装の機能が衰えているということでもあります。雨水が家の中に入りやすくなったり、コケやカビが生えたり、ひび割れが起きたりする可能性もあります。放置すると劣化が進んでいくため、チョーキングが起こっていることに気付いたら塗装を検討することをおすすめします。
・カビや藻
外壁の中でも日が当たりにくい場所や湿気がこもりやすい場所では、カビや藻が発生してしまうことがあります。家が水辺の近くにある場合や築年数が経っている場合も注意が必要です。自分でできる対応としては、薄めた中性洗剤を使ってスポンジやブラシで優しくこすると落ちることがあります。手の届く範囲であれば自分で行い、高いところは無理せず業者に依頼することをおすすめします。
・塗装の剥がれ
防水性の低いサイディングボードでは、水を吸い込んだままの状態が続いたりチョーキングを放置していたりすると、塗装が剥がれてしまうこともあります。塗装が剥がれると家の中に水が入り込んでしまい家の構造部分まで腐蝕してしまうことも。また劣化による剥がれだけではなく、塗装前の洗浄や下地処理が不十分であったときも剥がれの原因になってしまいます。
・ひび割れ
塗膜の劣化によって雨水が家の中に入りやすくなると、気温差で収縮と膨張を繰り返し、サイディングボード自体がひび割れてしまうこともあります。サイディングボードを張り付ける際に釘を打つため、釘のまわりにもひび割れが見られることも。またサイディングボードのつなぎ目に充填するシーリングもひび割れることが多い箇所です。
ひび割れには幅の狭いヘアークラックと、幅の広い構造クラックの二種類があります。ヘアークラックは表面に発生しているだけであり、家の構造に問題があるわけではありません。構造クラックが見られた場合は家の構造に問題があったり地盤が緩んだりしている可能性があります。できるだけ早めに対応するようにしましょう。
・シーリング
ひび割れの項目でもご紹介した通り、サイディングボードのつなぎ目を埋めるのがシーリングの役割です。シーリングには防水性や気密性を高める役割がありますが、紫外線などの影響で劣化しやすい箇所の一つです。シーリングに亀裂や肉痩せ、ひび割れなどが見られたら補修が必要となります。
◼ 補修方法
サイディングボードで起こり得る劣化の症状をご紹介してきましたが、劣化が見られた場合はどのような対応をするのが正しいのでしょうか。補修の方法についてご紹介します。適切な時期にメンテナンスを行わず、劣化した状態を放置してしまうと、外壁だけではなく家の中まで腐蝕してしまう可能性もあります。費用がかかることではありますが、定期的に点検やメンテナンスを行うことをおすすめします。
・シーリング
シーリングが劣化している場合は、打ち替えと増し打ちの二種類の補修方法があります。打ち替えは古くなったシーリング材を取り除いて新しくシーリング材を充填すること。増し打ちは古くなったシーリング材の上から新しいシーリング材を充填することをいいます。
ホームセンターなどでシーリング補修の道具を揃えることもできますが、素材同士の相性が悪かったり技術がなかったりするとすぐにまた劣化してしまうこともあります。何度も繰り返し補修するようであれば、初めから業者に依頼した方が費用を抑えられる可能性もあります。
・サイディングボード本体
サイディングボード本体の塗膜の劣化、チョーキング、ひび割れなどが起こっている場合、本体を補修する必要があります。新築時にも工場で出荷される前に塗装されていますが、機能性の高い塗料が使われているわけではありません。家を建ててから初めての塗装は、少し早めに行っても良いかもしれません。
劣化の症状が進んでいる場合は、塗装だけでは済まないこともあります。塗装以外の方法としては、もともとの外壁の上から新しい外壁材を重ねるカバー工法、古い外壁を撤去して新しい外壁材に変える張り替えの二種類があります。外壁材の傷みが進んでいて補修してもどうしようもないような場合には張り替えしか選べない場合もあるため注意が必要です。
◼ まとめ
サイディングボードは外壁材として使われる素材のうち約8割を占めています。窯業系サイディング、金属系サイディング、木質系サイディング、樹脂系サイディングの4種類があり、日本では窯業系サイディングが主流になっています。窯業系サイディングは施工期間が短いことやデザインが豊富、金属系サイディングは軽量で耐熱性に優れていること、木質系サイディングは温かみのあるデザイン、樹脂系サイディングはメンテナンス性の高さが特徴です。
サイディングボードはメンテナンス不要という言葉を聞いたことがある人もいるかもしれませんが、他の外壁材と同様メンテナンスは必要です。チョーキングやひび割れ、塗膜の剥がれといった劣化の症状を見極めて、適切な時期に点検やメンテナンスを行うようにしましょう。サイディングボードは板状の外壁材を張り付けて施工するため、つなぎ目にシーリング材を充填しなければなりません。シーリング材は劣化しやすい箇所の一つなので、サイディングボード本体だけではなくシーリングにも注意が必要です。
塗装屋ぬりべえは、千葉県と茨城県で外壁・屋根の塗装を行っている会社です。創業120年のリフォーム会社「ハウジング重兵衛」が手掛ける塗装部門であり、経験と実績を活かして塗装事業を展開しています。千葉県と茨城県に地域最大級のショールームがあり、カラーサンプルやカラーシミュレーションをお使いいただき、イメージを膨らませることができます。駐車場やキッズスペースも完備しているので、ご家族連れでも安心してお越しいただけます。千葉県と茨城県で外壁や屋根の塗装、雨漏りの修理を検討している場合はぜひお気軽にご相談ください。