家の屋根に使われている屋根材にはさまざまな種類がありますが、屋根材ごとに塗装の必要の有無や適した塗料などが異なります。日本の住宅でよく使われているスレート屋根についてご紹介した上で、スレート屋根の塗装時期やおすすめの塗料などをまとめていきます。
◼ スレート屋根とは
日本の住宅の約3割で使用されていると言われているスレート屋根。スレート屋根は天然スレートと化粧スレートに分けられますが、一般的に普及しているのは化粧スレート。天然スレートは粘板岩を素材としているため自然な風合いや独特な模様が特徴です。品質が高い屋根材ですが、価格が高いことから住宅用としてはあまり普及していません。
化粧スレートはセメントと繊維質を混ぜた素材。天然スレートよりも費用を抑えられますが、品質が安定しているのが普及率の高さの理由です。粘板岩やセメントなどの素材を4.5mmの厚さの板状に加工して使用するため、薄くて軽量であるのが特徴的。デザイン性にも優れているため幅広い家のテイストに合わせることができます。
◼ スレート屋根は塗装が必要?
スレート屋根には塗装が必要ないと聞いたことがある方もいるかもしれません。塗装には、家の外観を良くする「美観の維持」、外壁材の劣化を防ぐ「外壁材の保護」、衰えた機能性を高める「機能性の向上」といった役割があります。特にスレート屋根は防水性が低い屋根材なので、定期的に塗装を行うことで防水性を高める必要があります。
防水性がないと水を吸収しやすく、吸水による膨張や乾燥による収縮といったことが起こってしまいます。そうすると屋根材の変形や欠け、割れなどにつながってしまいます。繰り返せば繰り返すほど屋根材が脆くなってしまうため、防水性の維持は非常に重要です。
屋根材の劣化が進行すると、塗装だけではなくカバー工法や張り替えといったリフォーム方法を選ばなければならないこともあります。カバー工法や張り替えは塗装に比べて費用が高いため、塗装だけで済ませられるように早めに対応するのがおすすめ。
◼ スレート屋根の塗装時期
スレート屋根は塗装が必要であることが分かりましたが、何を目安に塗装時期を決めたら良いのだろうかと思われるかもしれません。環境や状態にもよるため明確に「このタイミング!」とは言えませんが、年数や劣化の症状を目安にしながら塗装時期を見極めるようにしましょう。
・年数
屋根の塗装は、スレート屋根だと新築から10年が目安。一度塗装を行ったことのある場合は、前回の塗装で使用した塗料の耐用年数を目安にしましょう。塗料ごとに耐用年数が異なりますが、環境や状態によっては耐用年数よりも早く塗装が必要になることも。
塗装のタイミングを逃してしまったことに気付いた場合は、できるだけ早く塗装するようにしましょう。防水性の低下は屋根材の寿命を縮めてしまい、最悪の場合は家自体の腐食につながってしまうことも。大切な家を守るためにも早めの塗装やメンテナンスを行うようにしましょう。
・劣化の症状
屋根は高い位置にあるためなかなか全体を確認するのは難しいかもしれませんが、色褪せやカビ・藻の発生、ひび割れ、反りといった症状がみられた場合は塗装の時期かもしれません。また劣化の症状がひどくなると雨漏りが起こることもありますが、もし雨漏りが起こった場合は早急に対応するようにしましょう。
◼ スレート屋根におすすめの塗料
屋根塗装で使用する塗料にはさまざまな種類がありますが、スレート屋根に適した塗料として遮熱塗料とラジカル塗料をご紹介します。
・遮熱塗料
屋根は太陽光を直接受けているため、紫外線による劣化や家の中の温度が上昇してしまうことがあります。遮熱塗料は、太陽光を反射する塗料のこと。屋根に塗ることで熱の吸収を抑えられ、家の中の温度が上がりすぎるのを防ぐことができます。
遮熱塗料で塗装すると、屋根の表面温度が最大15〜20度、家の中の温度は最大2〜3度下がると言われています。夏の快適度がぐんと上がるだけではなく、冷房の使用頻度が減るため光熱費を削減することにもつながります。
・ラジカル塗料
屋根に塗装した塗料は、紫外線による影響を受けて劣化してしまいます。ラジカルは塗料に含まれる顔料に紫外線が触れることによって発生する劣化因子のこと。このラジカルの発生を抑える効果のある塗料のことをラジカル塗料といいます。
ラジカル塗料は外壁に使用されることも多いですが、太陽光による影響を直接受けやすい屋根に使用するのも効果的。耐用年数も長いため、長期的に見るとコストパフォーマンスの高い塗料だといえます。
◼ スレート屋根の塗装での注意点
日本の住宅で普及率の高いスレート屋根ですが、塗装をする際に注意したいポイントがあります。せっかく塗装したにもかかわらず、不具合が出てしまうと費用も手間ももったいないですよね。塗装を成功させるためにも注意点を把握しておきましょう。
・縁切りやタスペーター
スレート屋根は、屋根の下の方からてっぺんに向かって重なり合った状態で施工されています。屋根材と屋根材が重なり合っている部分には4mm程度の隙間を空けて雨水の逃げ道を作る必要がありますが、塗装の際に隙間を埋めてしまって水の逃げ道がなくなり、雨漏りを引き起こす可能性があります。
スレート屋根の塗装では、縁切りを行ったりタスペーサーという道具を使ったりして適切な工夫を行わなければなりません。縁切りとは、塗装した屋根材と屋根材の隙間の塗膜をカッターなどで空けていくこと。タスペーサーとは、屋根材が重なり合った部分に差し込むだけで隙間を確保できる道具のこと。縁切りよりもより確実に隙間を空けることができるため、雨漏りの対策として必須の作業だといえます。
・信頼できる業者を選ぼう
スレート屋根は防水性を高めるために定期的な塗装が必要ですが、屋根材の重なり合った部分の隙間を開けるなど知識や経験の必要な作業を伴います。塗装を業者に依頼する場合、費用の安さや家からの近さなどで業者を選ぶこともあるかもしれませんが、何よりも信頼できる業者を選ぶことが大切です。
丁寧に塗装を行うことで、耐久性や機能性を高めることができます。特にスレート屋根の塗装では縁切りやタスペーサーなど適切な作業を行ってもらえるように事前の確認が大切です。
◼ まとめ
日本の住宅で普及率の高いスレート屋根について、またスレート屋根の塗装についてご紹介してきました。スレート屋根は防水性が低く塗装によるメンテナンスが必要です。環境や状態にもよりますが、年数や劣化の症状を目安に塗装時期を見極めるようにしましょう。またスレート屋根は屋根材が重なり合った部分の隙間を空けるために縁切りやタスペーサーなどで工夫しながら塗装する必要があります。知識や経験のない業者に依頼すると雨漏りの原因にもなってしまうため、信頼できる業者を選ぶことをおすすめします。
塗装屋ぬりべえでは、創業120年の経験と実績をもとに外壁や屋根の塗装を行っております。スレート屋根を塗装する場合は、縁切りよりも確実性の高いタスペーターを用いて作業をいたします。屋根塗装の際には足場の設置が必要なので、外壁の同時塗装も検討してみてはいかがでしょうか。千葉県と茨城県で外壁・屋根の塗装をご検討の際はぜひお気軽にご相談ください。