外壁塗装は、建物の外観や耐久性を保つために欠かせないメンテナンス作業です。
しかし、その費用には様々な要因が影響し、見積もりには内訳が含まれることが一般的です。
このコラムでは、外壁塗装の費用内訳について詳しく解説します。
・外壁塗装って高そう。。
・外壁塗装の費用構成を知りたい!
1 塗料の種類と費用
屋根塗装と同様に、外壁塗装にもアクリル系、ウレタン系、シリコン系などの塗料があります。
ただし、外壁にはさまざまな素材が使われるため、塗料の選定が異なります。
たとえば、木材や石材、サイディングなどの素材に応じて、適切な塗料を選択する必要があります。
そのため、塗料の選定と費用は屋根塗装と異なる場合があります。
アクリル系塗料:
- 特徴: アクリル系塗料は一般的に使われる塗料であり、水性塗料として知られています。耐久性があり、耐候性や色あせに強い特徴があります。また、乾燥が比較的早く、臭いも少ないため、施工が比較的容易です。
- 費用: アクリル系塗料は比較的低価格であり、一般的な建物や住宅に適しています。一般的には、1平方メートルあたり数百円から1,000円程度が目安とされます。
ウレタン系塗料:
- 特徴: ウレタン系塗料は耐久性が高く、弾力性があります。そのため、外壁に対する耐候性や衝撃に強い特徴があります。また、美しい光沢を持ち、塗装面の仕上がりが美しくなります。
- 費用: ウレタン系塗料はアクリル系に比べてやや高価であり、1平方メートルあたり1,000円から2,000円程度が目安とされます。
シリコン系塗料:
- 特徴: シリコン系塗料は最も耐久性が高く、UV光や気候変動に強い特徴があります。また、撥水性や防汚性にも優れており、長期間美しい仕上がりを保ちます。さらに、柔軟性があり、塗膜のひび割れや剥離を防ぎます。
- 費用: シリコン系塗料は高価であり、1平方メートルあたり2,000円から3,000円程度が目安とされます。
2 外壁の材質と状態
外壁の材質や状態は、塗装作業の費用に影響します。
木製の外壁やレンガの外壁は、下地処理や補修作業が必要な場合があります。
また、外壁にはカビや藻などの生物汚れが付着することがあり、これらを除去するための作業費用も考慮する必要があります。
木製外壁:
- 特徴: 木製外壁は自然素材であり、温かみのある風合いが特徴です。一般的にはサイディングボードや木材のパネルなどが使われます。木製外壁は柔軟性があり、装飾的な目的で使用されることがあります。
- 状態: 木製外壁は経年劣化や腐食、虫害などの問題に影響を受けやすいです。特に、湿気や雨水の影響を受けやすい場所では腐食が進みやすく、定期的なメンテナンスが必要です。
石材外壁:
- 特徴: 石材外壁は耐久性が高く、風化や腐食に強い特徴があります。一般的にはレンガや石灰岩などが使われ、建物に重厚感や高級感を与えます。
- 状態: 石材外壁は経年劣化や塵埃、汚れによって表面が劣化し、美観が損なわれることがあります。また、一部の石材は塗装が難しいため、専門的なメンテナンスが必要です。
サイディング外壁:
- 特徴: サイディング外壁は低コストで取り扱いが容易なため、一般的に利用されます。ビニールサイディングやセメント系サイディングなどがあり、耐久性や防水性に優れています。
- 状態: サイディング外壁は耐久性が高いため、劣化が比較的少ないですが、時間とともに色あせやひび割れが生じることがあります。定期的な洗浄や補修が必要です。
モルタル外壁:
- 特徴: モルタル外壁はセメントや砂、水などを混合して作られた塗り壁であり、丈夫で耐久性があります。建物の外観を一新し、防水性や断熱性を向上させることができます。
- 状態: モルタル外壁は経年劣化やひび割れ、塗膜の剥がれなどの問題が生じることがあります。特に、地震などの外部からの衝撃や振動によって劣化が進むことがあります。
3 塗装面積と作業量
外壁の塗装面積と作業量は、屋根塗装と同様に重要な要因です。
外壁の形状や高さ、窓やドアなどの突出部分の有無によって、作業量が異なります。
また、建物の周囲に障害物がある場合は、足場の設置や作業の制約が生じるため、作業時間や費用が増加することがあります。
塗装面積の計測
塗装面積は、建物の外壁の全体的な面積を計測して決定されます。通常、建物の外壁の高さと幅を測定し、各面の面積を計算します。窓やドアなどの突起部分や障害物も含めて、正確に計算する必要があります。
外壁の形状と複雑さ
外壁の形状や複雑さは、塗装作業の作業量に影響します。複雑なデザインや凹凸のある外壁は、塗装作業がより手間がかかるため、作業量が増加します。また、窓やドア、角部分などの処理も時間と手間を必要とします。
足場の設置と解体
塗装作業には、外壁に足場を設置する必要があります。足場は高さや形状に応じて設置され、作業員の安全な作業環境を確保します。足場の設置と解体には時間と費用がかかるため、作業量に影響します。
4 下地処理と補修作業
外壁塗装では、下地処理や補修作業が不可欠です。
古い塗膜の剥離やひび割れの補修、サビや腐食の除去などが必要な場合があります。
これらの作業は、塗料の密着性や耐久性を向上させるために重要ですが、費用にも影響します。
下地処理:
- 洗浄: 外壁の表面に付着した汚れや塵埃、カビや藻などの生物汚れを除去するために、高圧洗浄機や洗剤を使用して洗浄します。これにより、塗料の密着性が向上し、美観が保たれます。
- 剥離: 古い塗膜や剥がれた塗料を剥がし、外壁表面を均一にするために、スクレーパーやサンダーを使用して剥離作業を行います。剥離作業により、新しい塗料が均一に塗布されることが保証されます。
- クラックの補修: 外壁に生じたひび割れやクラックを補修するために、シーリング剤や特殊な充填材を使用します。これにより、外壁の耐久性が向上し、水漏れや劣化を防ぐことができます。
- サビや腐食の除去: 金属製の外壁や部品に生じたサビや腐食を除去し、錆止め塗料や防錆処理を施すことで、塗装面の耐久性が向上します。
補修作業:
- 穴埋め: 外壁に生じた穴や凹みを埋めるために、モルタルやパテなどの充填材を使用して補修作業を行います。穴埋め作業により、外壁表面が平滑化され、美観が向上します。
- 木部の補修: 木製外壁や部品に生じた腐食やダメージを補修するために、木材補修剤や補修パテなどを使用します。これにより、木部の強度が回復し、塗装の密着性が向上します。
- 防水処理: 外壁の接合部や突出部分に防水シーリング材を施すことで、雨水の侵入を防ぎ、建物の損傷や劣化を防止します。
- 表面調整: 外壁の凹凸や不均一な表面を平滑化し、塗装面を均一にするために、サンダリングやパテ処理を行います。これにより、塗料の均一な塗布が可能となり、美観が向上します。
5 まとめ
外壁塗装の費用内訳は、屋根塗装と類似していますが、建物の特性や材質、塗装面積などの要因によって異なります。外壁塗装を検討する際には、これらの要因を考慮し、信頼できる業者との相談を行うことが重要です。