家を建ててから年数が経つと、家の中や外観の劣化が気になり始めることでしょう。外壁や屋根は色褪せや汚れなどが目立ち始め、劣化を放置していると外壁塗装だけでは済まない状態になることも。外壁塗装をするときには、いくつかの業者に候補を絞ったら現地調査を行った上で見積もりを出してもらうのが一般的です。信頼できる業者と出会えるように、見積もりにおいて注意したいポイントをご紹介します。
◼ 見積書の項目
業者に依頼するときは見積書をしっかり確認した方が良いということは聞いたことがあるかもしれません。しかし塗装に詳しくないと見積書の項目が何について書かれているか分からない人も多いことでしょう。そこで見積書の項目に書かれていることが多い内容についてご紹介します。
・足場
外壁や屋根を塗装する際には、高いところの作業を行うために家のまわりに足場を組みます。足場代は適正価格が分かりにくいですが、1㎡あたり700~1000円が相場となっています。できるだけ費用を抑えたいと思う人も多いかもしれませんが、足場代を相場より大幅に安く設定している業者には注意した方が良い場合もあります。足場を組む作業に約一日、解体に半日程度はかかるため、相場より安い設定になっている場合はスケジュールが過密になっている可能性があります。トラブルの原因にもなりかねないため注意が必要です。
塗装をするためになくてはならない工程ですが、できるだけ費用を抑えたい工程でもあります。外壁塗装で足場を組み、一年後に屋根塗装で足場を組む、といったように別々で作業するのではなく、どちらかの塗装のタイミングで同時に行うと足場代を抑えることができます。
・養生
塗料を付着させてはならない部分を保護するためにビニールシートやマスキングテープなどで覆う工程を養生といいます。塗装する外壁近くの窓や近所の家、車などが養生の対象です。養生の相場は1㎡当たり200~400円程度となっており、他の工程に比べると安く抑えられる部分です。養生をしなければ塗料が飛散してしまい、剥離剤を使用して塗料を剥がす必要があります。万が一塗料の飛散に気付くことがあれば、早めに対応を依頼するようにしましょう。
・洗浄
洗浄は外壁を塗装する前に、付着している汚れを洗い流す作業です。数万円も払うのであればわざわざ洗浄してもらわなくても良いと思う人もいるかもしれません。しかし外壁や屋根に長年の汚れが付着したままだと、塗装のときに塗料が付きにくくなってしまいます。塗料の付きを良くするため、また長持ちさせるためには洗浄が重要な役割を果たします。費用は1㎡当たり100~300円が相場となっており、洗浄方法にかかわらず相場通りであることがほとんどです。
・塗装
外壁塗装のメインである塗装には、下塗りと中塗り、上塗りの3工程に分けられます。下塗りは中塗りと上塗りがしっかり付着するための役割を果たしています。下塗りが丁寧に行われているかどうかによって、仕上がりの美しさが変わってきます。中塗りには塗りムラを防いだり塗膜の厚みを確保したりする意味があり、上塗りでは美しさや耐久性を維持するために厚みを持たせた仕上げを行います。費用は使用する塗料の種類によって異なるため、色だけではなく機能面も考慮した上で、価格とのバランスを考えて選ぶようにしましょう。
◼ 見積もりでの注意点
外壁塗装の見積書に記載されている項目についてご紹介しました。項目の意味や費用の相場を知っておくことで、業者との打ち合わせがスムーズに進みます。また悪徳業者に騙されるリスクも減るため、知識を身に付けておくことは大切です。見積もりの際に注意したいポイントについてもぜひ参考にしてみてください。
・塗料のメーカーや商品名が記載されているか
大まかな工程のみが記載されている見積書と、使用した塗料などが細かく記載されている見積書はどちらが安心できますか?塗料のメーカーや商品名が記載されていなければ、費用を上乗せされていても気付くことができないだけではなく、希望した塗料よりもグレードの低い塗料が使用されることもあるかもしれません。適正な価格かどうかの確認のためはもちろん、希望する性能や色の塗料が使われているかどうかも大事ですよね。見積書の項目に、塗装に使用する塗料のメーカーや商品名が記載されているかどうかを確認するようにしましょう。
・下地処理
塗装を行う前に下地処理という工程があります。下地処理には、外壁の劣化を補修することと洗浄と同じように塗料をしっかり外壁に付着させること、2つの目的があります。劣化している部分を放置すると雨水や害虫が家の内部に入り込むことがあるため、定期的に補修をする必要があります。また下地処理を怠ると塗料が外壁に密着できずに、ひび割れや塗りムラとなってしまいます。外壁材や劣化の度合いに合わせて適切な下地処理が行われるかどうか、見積もりの段階で確認するようにしましょう。
・三度塗り
塗装の工程で下塗り、中塗り、上塗りという3つの工程を行うことをご紹介しましたが、これを三度塗りといいます。中塗りと上塗りは同じ塗料を使うことが多いため、中塗りの作業を飛ばしていたとしてもなかなか気付くことができません。しかし費用や手間を少なくするために中塗りを省く業者もいるため、記録を残しているような業者を選ぶと安心です。見積書には記載してあっても、実際には2回しか塗装していないといったこともあるため、施工中に現場を確認してみるのもおすすめです。
・工程ごとに項目が分けられているか
見積書にはいくつかの項目に分けて記載されていますが、業者によっては大まかにしか分けられていないこともあります。項目がたくさんありすぎてもよく分からないという人もいるかもしれませんが、そういった人を狙って悪徳業者が営業をかけてくることもあります。工程ごとに項目が分けられているかどうか、それぞれに適正な価格が設定されているかどうかは見積もりのときにしっかり確認するようにしましょう。
・保証
見積もりをしてもらう際に、保証がどうなっているかについても確認することをおすすめします。「保証は付いています」などと言われた場合でも、保証内容に制限があったり期間が短かったりする場合があります。また塗装を依頼した業者が倒産してしまった場合は、保証期間内であっても保証を受けられないことも。保証内容や業者が存続できそうかどうかなど、多面的に見て判断することが大切です。
・「足場無料」や「〇〇一式」という文言
見積もりを依頼したときに、「足場無料」や「〇〇一式」といった言葉を見かけたことがありませんか?足場代を抑えたいと思っている人にとって「無料」という言葉は魅力的ですし、見積書の見方が難しいと思っている人にとって「〇〇一式」と言われると分かりやすくて良いと思うことでしょう。しかしこれらの文言には落とし穴があります。
足場は設置・解体するのに一日~一日半かかるのが一般的です。そのため本当に無料で行うのであれば業者が無理をしている可能性があります。または足場無料を謳っておきながら、他の項目で費用が上乗せされている可能性も。どちらにしても信頼できる業者とはいえないため、足場無料を謳っている業者は選ばない方が良いかもしれません。
「〇〇一式」という言葉に惹かれてしまう人もいるかもしれませんが、見積書の内容が明瞭でなければ、業者が内容をごまかしていたり費用が上乗せされていたりしたとしても、後から追及することができません。見積書には詳しく記載してもらうように業者に伝えてみることをおすすめします。
◼ 失敗しないために
外壁塗装で注意したいポイントについてご紹介しました。塗装を行ったあとで後悔することのないよう、失敗しないために知っておきたいことをまとめました。
・見積書をしっかり確認
これまでご紹介してきたように、見積書の内容はしっかり確認する必要があります。内容に不備があったとしても、契約してからではどうにもならないこともあります。内容や項目、費用などについて、ある程度の知識を身に付けてから見積もりを依頼することで対応できます。
・相見積もりを取る
外壁塗装をすることが決まったら、業者選びを行います。依頼したいと思う業者をいくつか選び、それぞれで見積もりを取ってもらって比較検討します。この作業を「相見積もり」といいます。見積もりを一つの業者にしか依頼しなかった場合、提示された価格が適正かどうかが分かりません。それぞれに「相見積もりをお願いしたいのですが」といったように、相見積もりであることを伝えた上で見積もりを出してもらうようにしましょう。
・業者選びは慎重に
塗装業者はたくさんの種類があるため、どこに依頼すれば良いか決められないこともあるはずです。相見積もりを取ってもらう際、電話やメール、店舗にて相談のやり取りをしますよね。見積書の内容はもちろん、その際の対応の丁寧さもチェックすることで信頼できるかどうかが見極められることもあります。後悔することのないよう、業者は慎重に選ぶようにしましょう。
◼ まとめ
外壁塗装を行う際には、いくつかの業者に見積もりを出してもらって業者を決めることが一般的です。塗装について詳しくないと、見積書の内容がよく分からないという人も多いはず。見積書に記載されている項目について、また見積もりを依頼するときの注意点や失敗しないためのポイントについてご紹介しました。塗装を行ってから後悔することのないよう、知識を身に付けてから見積もりを依頼するようにしましょう。
塗装屋ぬりべえは、千葉県と茨城県を中心に外壁や屋根の塗装を行っています。ショールームではカラーサンプルやカラーシミュレーションを使って、塗装後のイメージを膨らませることができます。千葉県と茨城県で塗装をご検討の際は、ぜひお気軽にご相談ください。