コラム

屋根のメンテナンス前に知っておきたいあれこれ

最終更新日時 : 2021.12.22

屋根のメンテナンス前に知っておきたいあれこれ

屋根のメンテナンス前に知っておきたいあれこれ

屋根は外壁と同じように定期的にメンテナンスを行う必要があります。メンテナンスを怠っていると、屋根材が劣化するだけではなく雨漏りなどの深刻な状況に陥ってしまうことも。屋根のメンテナンスを検討し始めたら知っておきたいさまざまな知識をご紹介します。

 

◼ 屋根のメンテナンス前に確認したいこと

屋根のリフォーム事例

屋根は雨風や紫外線など、家を取り巻く外的要因から直接的に守ってくれていますよね。メンテナンスを行うことなく放置していると、劣化が進んで腐蝕してしまうことも。定期的なメンテナンスが大切ですが、まずはメンテナンスに関する基本的な知識を身に付けておきましょう。

 

・屋根の種類や劣化の状態

屋根材は大きく分けて瓦屋根とスレート屋根、金属屋根の3種類。瓦屋根は日本瓦とセメント瓦、コンクリート瓦に分けられ、スレート屋根は天然スレートと化粧スレートに、金属屋根はトタンとガルバリウム鋼板、銅板などに分けられます。それぞれ特徴が異なりますが、劣化の状態を見極めながらメンテナンスを検討する必要があります。

 

屋根も外壁と同じように色褪せや変色が起こることがありますが、見えない部分も多いため初期段階で気付きにくいかもしれません。コケやカビの発生、反りやひび割れといった症状に気付いた場合はできるだけ早めに対応したいものです。瓦が落ちてきたり屋根材が剥がれてきたり、雨漏りがしているような場合はすぐに点検・修理を依頼するようにしましょう。実際に雨漏りがしてからでは遅い場合もあるため、耐用年数を参考にしながら定期的に点検してもらうのがおすすめです。

 

・放置したらどうなるのか

屋根の劣化が進むと、屋根材だけではなく内部まで傷んでいたり雨漏りが起こってしまうことも。雨漏りは屋根の外側だけではなく、断熱材の部分や家の構造部分まで雨水が浸透してしまっている証拠です。雨漏りを放置していると、家の中に雨が降り込んでくるという状態になるだけではなく、家自体が更なる劣化を引き起こすことにもつながってきます。雨漏りが起こる前にしっかりメンテナンスを行うのが理想ですが、雨漏りが起こってしまった場合には、できるだけ早く業者に連絡して対応してもらうようにしましょう。

 

・屋根のメンテナンス方法

屋根を長持ちさせるためには劣化の症状を見極めた上で定期的なメンテナンスを行うことが大切です。しかし見た目の変化に気付きにくいこともあり、メンテナンスを後回しにしてしまうこともあるかもしれません。屋根の劣化が進んだり、衝撃などによって修理が必要になったりした場合、どのようなリフォーム方法があるのでしょうか。塗り替えとカバー工法、張り替え、それぞれの特徴をご紹介します。

 

塗り替えは屋根のリフォームの中でも一番手軽なリフォーム方法であり、下地がそこまで傷んでいない場合に有効な方法です。美観や機能性を維持するために定期的に塗装を行うようにしましょう。塗装が必要ない屋根材の場合は、外壁塗装と同じタイミングで屋根の点検を行うようにすると安心です。手間や費用がかかるためつい後回しにしてしまいがちですが、放置すると塗装だけではなく大規模なリフォームが必要になってしまう可能性もあります。

 

カバー工法とは、既存の屋根を撤去せずにそのまま新しい屋根材を上からかぶせる方法のことをいいます。下地は傷んでいなくても、屋根材が傷んでいるという場合に選ぶことができる工法です。既存の屋根を撤去・廃棄する費用や手間がかからないため、費用や工期を抑えることができるのがメリット。見た目が新しくなるだけではなく、屋根が二重構造になることから断熱性や遮音性といった性能が上がるのも嬉しいポイントです。

 

屋根の張り替えは、屋根材と下地の劣化が進んでいる場合に全てを新しくする屋根リフォームのこと。既存の屋根の撤去・廃棄が必要なので費用と手間がかかってしまいます。しかし新しい屋根材の種類を選ばないことや下地の点検を同時にできることがメリットです。張り替えをしなくても良いように定期的な点検やメンテナンスを行うようにしましょう。

 

◼ 屋根材ごとのメンテナンス方法

屋根のリフォーム

屋根に使われる素材にはさまざまな種類がありますが、ここでは大きく分けて3種類の屋根材についてメンテナンス方法をご紹介します。

 

・瓦屋根

瓦屋根は粘土瓦とセメントやコンクリートの瓦の2種類に分けられます。粘土瓦は、基本的に塗装の必要がなく耐用年数も40~60年と長いのが特徴であり、塗装の必要がありません。リフォーム方法としては、部分的な補修か葺き直し、葺き替えが選択肢となります。全体的な傷みがなく部分的に欠けたりずれたりしている場合は漆喰の詰め直しなどの部分的な補修を行うことになります。葺き直しは、既存の瓦を一度撤去し、下地を補強した上で既存の瓦を葺き直す方法。葺き替えは瓦以外の屋根材にも葺き替えることができます。

 

セメント瓦やコンクリート瓦は、文字通りセメントやコンクリートを使った瓦のことをいいます。粘土瓦よりも安い価格で瓦のようなデザインを取り入れられること、断熱性や防音性が高いことが特徴。耐用年数が短いことや重量があることなどから最近はほとんど生産されていません。粘土瓦と違って塗装によるメンテナンスが必要で、劣化が進んだ場合は葺き替えを行うことになります。

 

・スレート屋根

スレート屋根には天然スレートと化粧スレートの2種類があります。天然スレートとは、岩石を使用した素材を薄い板状に伸ばした屋根材のことをいいます。天然石ならではの美しさがあるのが魅力ですが、化粧スレートに比べると価格が高く、重量があるため耐震性が低いのがデメリット。化粧スレートは日本の住宅でよく使用されている屋根材の一つで、耐用年数は15~20年といわれています。化粧スレートは塗膜の劣化や色褪せが起こりやすいため、定期的に塗り替えを行う必要があります。劣化が進んだ場合はカバー工法でのリフォームを行うことが多く、新しい屋根材はガルバリウム鋼板が使われることが多くなっています。張り替えを行う場合、古いスレート屋根にはアスベストが含まれていることがあるため、業者と相談した上で行うようにしましょう。

 

・金属屋根

金属屋根はトタンやガルバリウム鋼板、銅板に分けられますが、一般的な住宅で使われるトタンやガルバリウム鋼板について知っておきましょう。トタンは亜鉛でメッキ加工した金属製の屋根のことであり、価格が安いことや軽量であることがメリット。しかし耐用年数が短いことや錆びやすいこと、断熱性・防音性が低いことなどデメリットが多いため使用する家が減ってきています。トタン屋根をリフォームする場合、色褪せやチョーキングといった軽めの症状であれば塗装、重度のサビや穴が空いている場合にはカバー工法や張り替えを行うのが一般的です。屋根材としての強度を保てないほどサビが発生している場合には張り替えを選ぶようにしましょう。

 

ガルバリウム鋼板は軽量で耐震性に優れているのが特徴で、耐用年数は20~30年といわれています。塗膜の劣化や色褪せといった初期症状しか出ていない場合は塗装によるメンテナンスを行います。ガルバリウム鋼板は金属製でありながらサビが発生しにくいのが特徴ですが、サビが発生しているときには塗装の前にサビを落とす必要があります。

 

◼ 屋根のメンテナンスにかかる費用と工期

塗装の事例

屋根のメンテナンスを行う際には、費用や工期が気になりますよね。

 

・費用

屋根の塗装を行う際、いくつかの業者から見積もりを出してもらって比較検討した上で業者を選ぶのが一般的です。内訳は大きく分けて塗装に必要な材料費、職人さんのお給料となる人件費、高いところを塗装する際の足場代、その他広告宣伝費や移動費、手数料などの4種類。見積書を見て比較検討する際に適切な判断ができるように、事前に塗装に必要な費用の内訳を知っておくようにしましょう。

 

屋根を塗装する際には、高いところの作業を行うために家のまわりに足場を組みます。足場代は適正価格が分かりにくいですが、1㎡あたり700~1000円が相場となっています。できるだけ費用を抑えたいと思う人も多いかもしれませんが、足場代を相場より大幅に安く設定している業者には注意した方が良い場合もあります。外壁塗装で足場を組み、一年後に屋根塗装で足場を組む、といったように別々で作業するのではなく、どちらかの塗装のタイミングで同時に行うと足場代を抑えることができます。

 

屋根の塗装において塗料や資材といった材料にかかる費用のことを材料費といいます。塗料は屋根材との相性や色の種類、機能性などを考慮した上で選びますが、塗料によっても費用が異なるため注意が必要です。また外壁を塗装してくれる職人さんに支払われるお給料などが人件費にあたります。外壁塗装にかかる日数や人数によって人件費は変わってきます。その他の費用として、業者の利益になる分や現場への移動費、保険料、事務手数料なども。一つ一つの費用は高額でなくても、その他の費用を合わせると全体の3割程度になることもあります。そのため内訳を確認するときはその他にどういった費用が含まれているのかも確認するようにしましょう。

 

・工期

屋根のメンテナンスにかかる工期としては、塗装で12日前後、カバー工法で6日前後、葺き替えで8日前後かかるのが一般的です。塗装は一番手軽なメンテナンス方法ですが、工程が多いことや乾燥に時間がかかることから日数がかかってしまいます。また予定していた工期に加えて、雨の日が多い時期は工期が延びてしまうことも。屋根の角度が急な場合や瓦屋根を葺き替える場合も追加で日数がかかってしまうことも知っておきましょう。

 

◼ まとめ

明るい色の外壁と屋根塗装

屋根のメンテナンスを行う前に知っておきたい基本的な知識をご紹介してきました。いざメンテナンスをしようというときに焦らなくて済むよう、知識を身に付けておきましょう。塗装屋ぬりべえでは、屋根や外壁の塗装・メンテナンスを行っています。千葉県と茨城県でメンテナンスをご検討の際はぜひお気軽にご相談ください。

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この記事を書いたスタッフ

塗装屋ぬりべえ 編集部
塗装屋ぬりべえ 編集部
かけがえのない日々の想い出を、より素敵に彩るお手伝いこそ、私たちハウジング重兵衛のしあわせです。
お客様の幸せを、自らの幸せに感じて。
あらゆる家づくりと住まいのプロフェッショナルとして、地元千葉と茨城との地域密着や社会貢献にもつながっていく企業として、お客様の幸せを礎に、200年企業を目指してまいります。
リフォームを中心とした住宅業界
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・国土交通大臣 許可(般-5)第25003号
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・一級建築士
・二級建築士
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